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運動不足は体にどんな影響を与える?リスクと運動の効果を解説

現代社会では、デスクワークや移動手段の変化により、多くの人が運動不足に悩まされています。本記事では、運動不足が体に与える影響や原因、病気のリスク、そして運動を取り入れることで得られる効果について解説します。

運動不足の原因は「仕事や家事が忙しいから」

厚生労働省では1日30分以上の軽く汗ばむ程度の運動を週2日以上実施することを推奨しており、1年以上継続している人を「運動習慣のある者」としています。同省の「令和4年国民健康・栄養調査」において「運動習慣のある者」の割合は20歳以上の男性で35.5%、女性で31.5%となっており、約3分の2の人たちが運動不足であることがわかりました。

また、スポーツ庁では運動習慣者の割合の増加を目指しており、その一環で「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和5年度)を実施しています。同調査によると、運動・スポーツの実施頻度が減った理由、あるいは増やせない理由として最も多かったのは、「仕事や家事が忙しいから」の37.2%でした。ついで「面倒くさいから」が27.4%と続きます。

運動不足になるとどんな症状が現れる?

運動不足が続くと、筋肉量が減り、体力も低下します。その結果、少しの運動でも息切れや疲労を感じやすくなり、つまずきやすくなるなど怪我のリスクが高まります。また、肥満が進むと膝や腰に負担がかかり、痛みを感じることもあります。消費エネルギーが少なくなる分、肥満、特に内臓脂肪型肥満になりやすく、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高くなります。

さらに、運動不足はメンタル面にも影響を及ぼし、不安や憂鬱感が強まることもあります。長期的には、生活習慣病や骨粗しょう症、がん、うつ病などのリスクも高まるとされています。

運動をして生活習慣病のリスクを軽減しよう

運動不足を感じている人は意識的に活動量や運動量を増やし、生活習慣病など疾病のリスクを減らしていきましょう。厚生労働省が推奨している成人の運動量の目安を以下に紹介します。

  • 歩行またはそれと同等以上の生活活動を1日60分以上(約8,000歩以上)
  • 息が弾み汗をかく程度の運動を週に60分以上
  • 筋力トレーニングを週2~3日

「可能なものから取り組むこと」「今より少しでも多く体を動かすこと」がポイントです。まずは気軽に始められる運動から取り組んでみましょう。厚生労働省では、家事や仕事などの生活場面でも身体を動かすことをすすめています。運動のためだけの時間が取れなくても、家事(買い物・洗濯・掃除)や、通勤(自転車・徒歩通勤)などで身体活動量を増やすよう心がけることが大切です。

身体活動量が増えると死亡リスクが低下する?

国立研究開発法人国立がん研究センターによる「身体活動量と死亡との関連について」という研究では、運動を含む身体活動が多いほど、がんや心疾患による死亡リスクが低下することが示されています。身体活動量が最大の群では最小の群と比べ、がんの死亡リスクは男性で0.8倍、女性は0.69倍低下しました。また、心疾患の死亡リスクは男性で0.72倍低下し、女性では心疾患と脳血管疾患の死亡リスクの低下傾向がみられました。

厚生労働省によると、定期的な運動には以下のようなメリットがあります。

  • 心肺機能の向上や2型糖尿病、一部のがん予防
  • 脳機能の向上と心血管疾患のリスク低減
  • 筋力トレーニングによる筋力強化と心機能への良好な影響

さらに、体脂肪の減少、高血圧の改善、骨粗しょう症のリスク軽減、認知症の予防、ストレス解消、うつ病予防などのメリットもあります。

まとめ

現代社会では運動する機会が少なくなっています。仕事や家事などの忙しさで運動を避けている人も多いかもしれませんが、運動不足は将来、体に深刻な影響を与える可能性があります。まずはその場でできるスクワットや、階段を使うなど、身近なことから始めてみることが大切です。日々の生活で少しずつ運動量を増やして健康を維持しましょう。

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