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ウォーキングのダイエット効果はどれくらい?痩せる理由と正しいやり方を解説

ウォーキングの運動負荷はそれほど強くありませんが、実はダイエット効果もあると注目されています。ウォーキングで痩せるための距離の目安や時間、正しいやり方を解説します。

ウォーキングで痩せるためには?

年齢に関係なく手軽にできるウォーキングですが本当にダイエット効果があるのかと疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。ウォーキングを効果的に行う方法について紹介します。

ウォーキングの効果は歩く距離や運動強度で変わる!

ウォーキングをはじめとする有酸素運動は体脂肪の減少が期待できる運動です。有酸素運動は筋肉を動かす際にエネルギーとして体内の脂肪や糖が酸素と一緒に使われます。継続して行う時間が長くなるほどそれらの利用比率が高まるため、ダイエットや内臓脂肪の減少に効果があるといわれています。

ただし、運動量や運動強度、実行度合いによっても効果は変わってきます。ウォーキングの場合、どれくらいの運動強度でどれくらいの距離を歩けば効果があるのでしょうか。

運動や身体活動の強度を表す単位にメッツ(METs)があります。安静時を1メッツとしたとき、対象の運動や動作は何倍のエネルギーを消費するかという強度を示しています。ウォーキングといっても平らな道をゆっくり歩く場合、坂道を歩く場合、荷物を持って歩く場合と状況によって運動強度は異なります。

国立健康・栄養研究所の「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」よりウォーキングの運動強度について一部を抜粋して紹介するので参考にしてください。

ウォーキング:個別活動 メッツ(METs)
4.0km/時、平らで固い地面 3.0
4.0km/時、下り坂 3.3
4.5-5.1km/時、ほどほどの速さ、平らで固い地面 3.5
階段を下りる 3.5
散歩、仕事の合間に歩く 3.5
階段をゆっくり上る 4.0
5.6km/時、速い、平らで固い地面、運動目的で歩く 4.3
6.4km/時、平らで固い地面、とても速い 5.0
4.7-5.6km/時、上り坂、1-5%の勾配 5.3
野原や斜面を普通のペースで歩く 5.3
ハイキング(クロスカントリー) 6.0
バックパックを背負って歩く 7.0
4.7-5.6km/時、上り坂、6-15%の勾配 8.0
階段を速く上る 8.8

ウォーキングなど単独の運動で脂肪を減少させるためには、少なくとも週当たり10メッツ/時以上の有酸素運動が必要だといわれています。「メッツ/時」はエクササイズとも呼ばれる身体活動の量を表す単位で、運動の強度(メッツ)に運動の時間をかけたものです。3メッツの運動を1時間行った場合3エクササイズ(メッツ/時)、6メッツの運動なら30分で3エクササイズ(メッツ/時)になります。

ウォーキングで消費できるカロリーの計算方法

ウォーキングの効果を消費カロリーの面から考えてみましょう。歩く距離によってエネルギー消費量が変わってきます。ウォーキングによるおよそのエネルギー消費量は以下の式で計算できます。

エネルギー消費量(kcal)=1.0×エクササイズ(メッツ/時)×体重

例えば、体重55kgの人が1時間のウォーキング(3メッツ)を行うとエネルギー消費量は165kcal(1.0×3メッツ/時×55kg)となります。体重60kgの人が時速5.6kmの速足でウォーキング(4.3メッツ)を0.5時間行うとエネルギー消費量は129kcl(0.5×4.3メッツ/時×60kg)になります。

脂肪減少のためには週に10エクササイズ(メッツ/時)以上の運動が必要だと先に紹介しましたが、週当たりの運動量がより多いほど脂肪は減少します。例えば、体重55kgの人が1時間のウォーキング(3メッツ)を週に4回行うと12エクササイズ(メッツ/時)の運動となり、計算上は660kcalのエネルギーを消費することになります。

なお、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(厚生労働省)によると、体脂肪1kgを減らすために必要なエネルギー量は約7000kcalだとされています。肥満を解消するためには、運動だけでなく日常の身体活動と食事から摂取するエネルギー量も含めて調整する必要があります。人によって目標体重や体調、運動できる時間は異なるため個々に目標体重を設定し、計画的に体重の減少を目指すことが大切です。

ウォーキングで痩せるのはなぜ?

ダイエットしたい人になぜウォーキングなどの有酸素運動がおすすめなのか、もう少しくわしく見ていきましょう。

  • 有酸素運動は無酸素運動よりエネルギー消費量を確保できる…ウォーキングなどの有酸素運動は脂肪をエネルギー源としています。筋肉を動かす際に体内の脂肪や糖が酸素と一緒に使われることから有酸素運動といいます。一方、短距離走や筋トレなど短時間に強い負荷がかかる運動はエネルギー源として酸素を必要としないため無酸素運動といいます。減量のためには無酸素運動より有酸素運動を中心に行うのが良いとされ、日常生活に有酸素運動を取り入れることで継続的に体脂肪を消費できます。
  • ジョギングよりウォーキングがおすすめ…さまざまな運動やスポーツがありますが、どれも有酸素運動と無酸素運動が組み合わさっています。ウォーキングはジョギングよりも運動強度が小さく、その分有酸素運動の割合が高い運動です。体脂肪が燃えるのは運動開始後20分ごろからといわれており、ダイエットを目的とする場合は運動強度の小ささからより長時間継続しやすいウォーキングが効果的とされています。
  • 運動強度の高いウォーキングを行えば運動後も脂肪が燃える…運動終了後もエネルギー消費量が一定時間持続した状態を運動後過剰酸素消費(EPOC)といいます。有酸素運動や筋トレなどをした後は疲れた体を元に戻すために普段よりも脂肪燃焼量の高い状態が一定期間続くといわれています。運動強度が強いウォーキングではその効果が特に期待できます。
  • 効率的なのは中強度のウォーキングを長めに!…ダイエットを目的としたウォーキングでは運動によってどれくらいのエネルギーを消費したかが重要です。低強度では非常に長い時間の運動が必要になり、逆に強度が高すぎると長い時間続けるのが難しいといった問題があります。より効率的なのは中強度のウォーキングを長めに行う方法です。
  • 体への負担が少ないため長続きしやすい…減量に効果があるのは有酸素運動であり、エネルギーを消費できる運動であればジョギングやエアロバイク、エアロビクスダンス、サイクリングなども有効です。しかし、ウォーキングのいい点は常に足が地面についているため膝や腰への負担やけがのリスクが少ない運動だからです。初心者でも始めやすく長続きしやすいメリットがあります。

ウォーキングダイエットの効果を高めるポイント

歩くときの姿勢や歩く時間の目安、ウォーキングで部分痩せが可能なのかを紹介します。

効果アップのための正しいやり方

ウォーキングは正しいフォームで行うことで効果が高まります。正しいフォームのポイントを以下に紹介します。

  1. 背筋を伸ばして視線はまっすぐに10~15mほど先を見て歩く
  2. 肘は軽く曲げて腕を大きく振る
  3. 歩幅を広げるために腰の回転を意識して歩く
  4. かかとから着地して大地をしっかりキックする

ウォーキングを効率的に行うには中くらいの強度で、長めに歩くのがいいと紹介しましたが、これはうっすらと汗ばむ程度で息が弾むくらいの速度です。

ウォーキング初心者の人はどれくらい歩けば効果が上がるのかと迷うかもしれません。厚生労働省が出している「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、生活活動(身体活動の一部で、日常生活における家事・労働・通勤・通学などに伴う活動)の中で1日8000歩、歩くようにと目標を掲げています。そして、アクティブエイジ(高齢者)では1日6,000歩です。これは運動だけでなく、買い物、通勤など日常の身体活動も含んだ数値です。運動が習慣化している人については1日1万歩以上を目標に、週2回以上、1日30分以上のウォーキングなど息が少し弾む程度の運動を習慣化することを推奨しています。ウォーキングに慣れてきたら、階段や坂道を歩くなど運動強度が高くなる場所を歩いてエネルギー消費量の増加を目指すとより効果が期待できます。

  • ウォーキングの正しいフォームについては「ウォーキングの効果を高めたい!正しいフォームや習慣化のための工夫」も参考にしてください。

ウォーキングで痩せやすい部分は?

ウォーキングでピンポイントの部分痩せが期待できるわけではありません。体脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪に分けられますが、運動によって最初に落ちるのは内臓脂肪だといわれています。ウォーキングは全身運動であり全体的な体重減少に効果が期待できるものだと心得ましょう。そのうえで、気になる二の腕やお腹まわり、お尻、太ももなどの引き締めには筋トレやストレッチを組み合わせるのもおすすめです。

ウォーキングを行う際の注意点と楽しみ方

ダイエットを目的に行う場合は目標を設定するとモチベーションアップにつながります。運動経験が少ない人は無理のない範囲で目標設定しましょう。ウォーキングは体への負担やけがのリスクが少ない運動ですが、継続してこそ目標に近づけるので自分の体調やライフスタイルに合わせて計画を立てることが大切です。

1回に歩く距離が短くても水分補給は忘れずに。また、ウォーキング前後にストレッチなどの準備運動は十分行いましょう。

距離を目標に設定する場合は歩数計やスマートフォンのアプリ、スマートウォッチを活用して記録すると継続へのモチベーションにつながります。シューズは自分の足に合ったものを選ぶだけでなく、服装も含めて好みのものを選ぶのもおすすめです。

まとめ

ウォーキングなどの有酸素運動は筋肉を動かす際に体内の脂肪をエネルギー源としているので、ダイエットにも効果が期待できるといわれています。減量のためには無酸素運動より有酸素運動を中心に行うのが良いとされ、ダイエットを目的とする場合は運動強度の小ささから長時間継続しやすいウォーキングが効果的とされています。

ウォーキングなど単独の運動で脂肪を減少させるには、少なくとも週当たり10メッツ/時以上の有酸素運動が必要です。メッツは運動の強度を表す単位で、どのような場所をどのように歩くかで強度も変わってきます。そのメッツに運動する時間をかけたものの単位を「メッツ/時」で表しエクササイズとも呼ばれています。

ダイエットの実現には運動にプラスして日常の身体活動や食事での調整も重要です。人によって目標体重や体調、運動できる時間は異なるため個々に目標体重を設定し、計画的に体重の減少を目指すことが大切です。

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