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運動不足を解消したい!体への悪影響や手軽にできる解消法を紹介

オフィスでも自宅でのリモートワークでも、一日中座っていて運動不足を痛感している人も多いのではないでしょうか。日本では40代の男性、30代の女性で運動習慣のある人が特に少なく、男女ともに高齢者のほうが運動している割合が高いという調査結果があります。

運動不足は体にどんな悪影響を与えるのか、また、運動にはどのような効果があるのかを解説します。運動不足の解消法など役立つ情報も紹介します。

運動不足とは?

運動不足の明確な基準があるわけではありませんが、身体活動や運動量が少ない人は多い人に比べて病気にかかるリスクが高いといわれています。日常生活で家事をしたり通勤・通学のために歩いたり、多くの人は日々の身体活動でエネルギーを消費しています。仕事の後、あるいは週末にスポーツやフィットネスを楽しむなど運動が習慣化している人もいるかもしれません。一方で、家では座ったり寝転んだりして動かない、外出するときは車だからほとんど歩かない、リモートワークで1日の歩数が1000歩以下だったという人もいるでしょう。ここでは運動不足の人の割合や現代人が運動不足になる理由を解説します。

運動不足の割合が世界で増加

WHO(世界保健機関)が発表し日本語訳された「身体活動に関する世界行動計画2018-2030」(慶応義塾大学スポーツ医学研究センター)によると運動不足の人は世界中で増えています。WHOでは成人は週に150分の中強度の身体活動・運動を推奨、青少年(11~17歳)は毎日60分の中程度から高強度の身体活動・運動を推奨しています。2010年以降の調査では世界の成人の23%、青少年の81%がこの推奨基準を満たしていませんでした。

一方、日本の調査からも運動不足の状況は浮き彫りになっています。厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」では、1回30分以上の運動を週2回以上実施し1年以上継続している人を「運動習慣のある人」としてその割合を調査しています。2019年(令和元年)の調査では運動習慣のある人の平均は男性で33.4%、女性で25.1%でした。10年前と比べると男性は微増、女性は2ポイントほど減少していましたが、コロナ禍を経ての最新の結果はまだ出ていないため、運動不足の人の割合は増えている可能性もあります。

上記の調査で運動習慣のある人の割合を年齢別に見ると働き盛りの年代ほど割合の少ないことがわかります。男性は20代が28.4%、30代が25.9%、40代が18.5%、50代が21.8%、60代が35.5%、70歳以上が42.7%でした。女性は20代が12.9%、30代が9.4%、40代が12.9%、50代が24.4%、60代が25.3%、70歳以上が35.9%でした。

運動不足になる理由

世界的に運動不足の人が増加している背景には経済の発展による労働環境の変化や、移動手段の変化などいくつかの理由が挙げられます。

  • リモートワークの増加など労働環境の変化…コンピュータや通信技術の発展によりデスクワークが増え、リモートワークや在宅ワークと呼ばれるスタイルも増えてきました。会社に行かなくても自宅で仕事ができるため通勤のために歩くという機会そのものが減った人もいます。また、リモート会議も可能になり出張も減って仕事中はずっと座ったままという人はすでに運動不足かもしれません。
  • 移動手段の変化で階段の上り下りも減少…公共の交通機関にはエレベーターやエスカレーターが普及し外出時に階段の上り下りをする機会が減りました。エレベーター付きのマンションに住む人も増えました。洗濯やゴミ捨てのために家やマンションの階段を上ったり下りたりなど、以前は自然とできていた身体活動がいつの間にか減ってしまいました。余程意識して動かないと必要な運動量は確保できないといえます。
  • 仕事や家事で忙しく時間や場所が確保できない…先ほど紹介した調査では、男女ともに高齢者より若い世代のほうが運動不足の傾向にありました。いわゆる働き盛りの年代は仕事や家事、子育て、介護などで忙しく、運動する時間や場所を確保するのが難しい状況にあるようです。

運動しないとどうなる?この症状は運動不足の影響?

運動はしないよりしたほうがいいとわかっていても日々の忙しさからなかなか行動に移せない人もいるでしょう。若い年代では特に運動しないことのリスクをあまり重要視していないかもしれません。しかし、運動不足の状態を放っておくと病気にかかるリスクも高くなると聞くとどうでしょうか?ここでは、運動不足のリスクや対策を紹介します。

肥満や体力低下など運動不足のリスクは多数

運動不足が続くとまず体力や持久力が落ち、身体活動量が減ってきます。週末に外出すると疲れるからと外出自体を控えたり家でも座って寝転がる状態が続いたりすると、体力、持久力だけでなく筋力も低下してしまいます。筋力の低下は立つ、歩くといった移動能力の低下にもつながるため高齢者の運動不足は特に注意が必要です。

また、運動不足によって肥満や高血圧、虚血性心疾患、動脈硬化性疾患、骨粗しょう症など生活習慣病の罹患率や死亡率が増大するといわれています。今は健康で体調に問題がないとしても、将来病気にかかるリスクが増えると知ると若い世代でも運動の大切さを実感するのではないでしょうか。

活動量が多いほどリスクを減らせる

運動を含めた身体活動量が多いほど生活習慣病などの発症リスクを減らせるといわれています。では、どれくらいの活動量を確保すればいいのでしょうか。それを知るには厚生労働省が策定した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が参考になります。以下に、同ガイドが推奨する身体活動量の目安を紹介するのでできることからチャレンジしてみましょう。

〈成人の生活活動+運動の目安〉

  • 歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上の強度)の生活活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)
  • 息が弾み汗をかく程度以上(3メッツ以上の強度)の運動を週に60分以上
  • 筋力トレーニングを週2~3日
  • 座りっぱなしの時間が長くなり過ぎないように注意

〈高齢者の生活活動+運動の目安〉

  • 歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上の強度)の生活活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)
  • 有酸素運動、筋力トレーニング、バランス運動、柔軟運動などの運動を週3日以上
  • 腕立て伏せやスクワットなども含めた筋力トレーニングを週2~3日
  • 座りっぱなしの時間が長くなり過ぎないように注意

生活活動とは家事や労働、通勤、通学などに伴う活動です。運動はスポーツやフィットネスなど計画的・定期的に行う活動を指します。なお、メッツとは運動や身体活動の強度を表す単位です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

  • 「ウォーキングのダイエット効果はどれくらい?痩せる理由と正しいやり方を解説」

運動の効果

運動にはさまざまな効果が見込まれています。将来的な疾病予防だけではなく、ダイエットなど体重のコントロールや筋力の増量、睡眠障害の改善、認知症の予防、気分転換やストレス解消、メンタルヘルス不調の一次予防など。ほかにもストレッチや筋力トレーニングをすれば、腰痛や膝痛の改善も期待できます。ここでは日々の忙しさからなかなか運動不足を解消できない人に向けて身体活動量を増やすアイデアを紹介します。

日常生活でのちょっとした工夫で解消

運動不足を解消しようと突然運動を始めてもなかなか長続きしません。無理するとけがにもつながります。まずは日々の生活のなかで徐々に活動量を増やしましょう。

  • 歩く量を増やす…なるべく車やバスに乗らずに歩く量を増やしましょう。会社で昼食後に近所を散歩したり仕事帰りに余裕があるときは一つ手前の駅で降りて歩いたり。生活リズムが乱れない範囲でいろいろ工夫を。
  • 通勤や外出の移動で階段を使う…電車に乗るときや外出時はエレベーターやエスカレーターを使わない!と決めるのもいい方法です。階段の上り下りは歩行よりも運動強度が強いので運動不足の解消に一役買うはずです。
  • 週末は掃除を一生懸命にやる…洗濯物を干す、窓ふき、モップ掛け、床の拭き掃除、バスルームの掃除、部屋の片づけ、草むしりなどの家事は比較的強度の高い身体活動です。運動不足の解消になると思えば家事へのモチベーションが上がるかもしれません。
  • 家から遠いスーパーまで買い物に行く…最近はネットスーパーを便利に活用する人も増えていますが買い物も運動不足解消に役立ちます。買いだめせずに毎日スーパーまで歩いたり週末はあえて遠くのスーパーへ足を伸ばしたり。帰り道は荷物を持って歩くことになるのでさらに運動強度が上がります。
  • すき間の時間にストレッチや筋トレ…ストレッチやかかとの上げ下げ、スクワット、屈伸運動などを家事の合間やテレビを見ながら、電話やスマホをしながら、すき間時間にやるのもおすすめです。

物足りない人はウォーキングやサイクリングなどを!

日常生活での身体活動が増えてきてもっと体を動かしたい気持ちが高まってきたら、1回30分程度の有酸素運動を週に2回ほど取り入れてみましょう。

屋外で行うウォーキングやジョギング、サイクリング、ハイキングなどのほか、室内で行うエアロビクスダンス、フィットネスバイク、水泳などが有酸素運動に該当します。有酸素運動には体重を減らしたり、生活習慣病のリスクを減らしたりする効果が期待できます。ジムに通ったり休日に友達と野外活動を楽しんだりするのもいい方法です。忙しくてなかなか時間が取れない人はまずはウォーキングやサイクリングなど自分のペースで始められるものからチャレンジしましょう。

まとめ

労働環境が変化しリモートワークが増えるなど運動不足を自覚する人が増え体への悪影響が懸念されています。運動不足の人の割合は男女ともに働き盛りといわれる年齢層に多いという特徴があります。理由として仕事や家事、育児で運動する時間が確保できないなどが挙げられています。運動不足が続くと生活習慣病の罹患率や死亡率が上がるともいわれ、若いうちから意識して身体活動量を増やす必要があります。急に運動しようと張り切るのではなく日常生活のなかで少しずつ活動量をアップする工夫を紹介しました。

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