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疲労回復に役立つ食べ物はこれ!効果的な選び方・調理法・注意点も紹介

疲労回復させたいときは、エネルギー代謝を助ける栄養を含んだものや、即効性が期待できる食べ物を摂るのがおすすめです。しかし、日頃食べているのに疲れが抜けにくいのであれば、食材の選び方や食べ方にも目を向ける必要があります。

本記事では、疲労回復につながる食べ物や期待できる働きを食材別に紹介します。また、即効性が期待できる食べ物の選び方や効率よく摂るための注意点もお伝えするので、参考にしてください。

食材別に紹介!疲労回復につながる食べ物は?

疲労回復につながる食べ物は、体が必要とする栄養やそれぞれが持つ働きによって、さまざまなものがあります。以下、疲労回復につながる食べ物を、食材別に紹介します。

豚肉・うなぎ・玄米など

豚肉やうなぎのほか、玄米などの未精製の穀類、豆類には、水溶性ビタミンの一種であるビタミンB1が含まれています。

ビタミンB1は、体内で糖質の代謝に関わり、エネルギーの産生や疲労回復に役立ちます。糖質の多い食品やアルコールを多量摂取するとビタミンB1の需要が高まりますが、ビタミンB1が不足していると、しっかり糖質を摂ってもエネルギーに変換できず、疲れを感じやすくなります。以下のような食材には疲労回復に役立つビタミンB1が豊富に含まれるため、意識して取り入れるようにしましょう。

じゃがいも・トマト

じゃがいもやトマトは、抗酸化作用を持つαーリポ酸が豊富な食材です。

αーリポ酸は別名「チオクト酸」とも呼ばれるビタミン様物質で、細胞中のミトコンドリアにあります。ビタミンB1とともに炭水化物のエネルギー代謝に関わるほか、抗酸化作用によって、疲労の原因となる活性酸素を防ぐ効果が期待できるでしょう。不足すると糖がエネルギーとして代謝されにくくなるため、疲れやすくなったり肥満につながりやすくなったりします。

レバー・うなぎ・ブリ・納豆など

レバーやうなぎ、ブリ、納豆にはビタミンB2が含まれています。

ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、脂肪や糖質の代謝に関わる水溶性ビタミンです。ビタミンB1と協力して糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを産生する働きがあり、疲労回復をもたらすとして、医薬品などに用いられます。また、他のビタミンの働きにも関与し体内の発育を促しているため、ビタミンB2が欠乏すると、エネルギー産生だけでなく、皮膚炎や結膜炎、口角炎などを引き起こします。

豚ヒレ肉・マグロ・カツオ・鶏むね肉・バナナなど

豚ヒレ肉やマグロ、カツオ、鶏むね肉、バナナなどにはビタミンB6が含まれており、疲労回復に期待できます。

ビタミンB6は、エネルギーやたんぱく質、脂質の代謝や、ホルモン調節に関わるビタミンです。とくに、たんぱく質の代謝には欠かせません。たんぱく質は、体を構成する成分や酵素、抗体などの主原料となり、体内の代謝や免疫機能を維持して疲労回復に働きます。そのため、主菜となるたんぱく質と一緒に摂ると効果的です。

にんにく・ねぎ

にんにくやねぎ類には、「アリイン」と呼ばれる植物性イオウ化合物が含まれています。

アリインは、にんにくを切るなどして細胞から出たときに、アリシンに変換されます。アリシンは、ビタミンB1と結合してアリチアミンになると、ビタミンB1の腸吸収を高めることが分かっています。さらに、アリチアミンは体内でビタミンB1に戻り、エネルギー産生を促進させるため、疲労回復に効果的です。アリシンを摂るときは、豚肉などビタミンB1が豊富な食品と一緒に摂ると効果が一層高まります。

あさり・しじみ・レバー・牛肉・カツオ・がんもどき

あさりやしじみ、レバー、牛肉、カツオ、がんもどきなどは、必須ミネラルの鉄が豊富です。

鉄は、赤血球のヘモグロビンとして、酸素運搬や細胞呼吸などに関わります。鉄が不足すると、鉄欠乏性貧血や運動機能の低下、疲れなどを引き起こす原因となります。そのため、月経や妊娠期間中の女性は、とくに意識して摂る必要があるミネラルです。とはいえ、鉄は過剰摂取により健康障害を生じる可能性があるため、動物性・植物性食品をバランスよく摂取し、1日の摂取量上限を超えないよう注意が必要です。

牛豚レバー・いいだこ・ホタルイカ・牡蠣・ブラックタイガー・ココア

牛や豚のレバー、いいだこ、ホタルイカ、牡蠣、ブラックタイガー、ココアなどには、銅が含まれています。

銅は骨や骨格筋、血液中に存在する微量ミネラルです。鉄の吸収や代謝に関わり、鉄とともに造血に働きかけて血液中の酸素を運搬などに関わります。貧血からくる疲れの場合、鉄不足が原因であることが多いですが、銅が不足している場合も貧血を引き起こすことが分かっているため、意識して摂るようにしましょう。

柑橘類・食酢など

レモンやグレープフルーツなどの柑橘類や食酢に含まれるクエン酸は、疲労回復のカギとなる成分です。

クエン酸は、体内でエネルギーを作るシステム「TCA回路」の動きに関与します。TCA回路とは、エネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を産生する場所です。産生したATPは、体の運動や生命活動のエネルギー源となり、疲労回復に関わります。クエン酸は、ATPを産生するTCA回路の動きをスムーズにし、効率的にATPを作り出すのに役立ちます。

牛乳・イワシなど

牛乳やイワシなどには、補酵素のコエンザイムQ10が含まれています。

コエンザイムQ10は、栄養素からATPを大量に変換するのに必要な成分です。また、抗酸化作用があり、細胞膜の酸化を防いで疲労を軽減させる働きがあります。コエンザイムQ10は体内に存在していますが、加齢とともに産生能力が減少することが分かっています。そのため、年齢に応じて食事で補うことが大切です。

鶏むね肉・カツオ・マグロ・カジキ・クジラ

鶏むね肉やカツオ、マグロ、カジキ、クジラにはアミノ酸総結合体の一種であるイミダゾールペプチドが含まれています。

イミダゾールペプチドとは、動物の筋肉組織や、人の骨格筋や脳に存在し、渡り鳥が長時間休まずに飛び続けたり、回遊魚が長距離を泳いだりする原動力となる成分です。とくに鶏むね肉に多く含まれており、強い抗酸化作用と疲労軽減作用があるとされています。

即効性ならこれ!すぐに元気が出る食べ物の選び方

運動後などすぐに疲労回復させたいときは、すぐにエネルギー変換される食べ物を選びましょう。ここでは、即効性の高い疲労回復につながる食べ物の選び方を紹介しています。

砂糖を使った間食などを取り入れる

即効性のある疲労回復を期待するのであれば、砂糖を使った間食を取り入れるのも1つの方法です。砂糖を使った食べ物は、体内で素早くブドウ糖に分解されてエネルギーを作り出すため、疲労回復に即効性があります。

また、運動後の速やかな糖質摂取は、疲労回復にも有効です。運動中は血糖を細胞に取り込む働きが活発化して筋肉のエネルギー源である筋グリコーゲンを分解して使用します。そのため、運動直後の糖質摂取は、運動で消費した糖を補い、回復を早めるのに有効です。ただし、タイミングが遅れると十分な回復が得られない可能性があります。スポーツドリンク類での補給なら運動後30分以内、食事なら1時間半以内を目安に取り入れるといいでしょう。

GI値が高いものを選ぶ

食品のGI値が高いものは、エネルギー変換が早いといわれます。GI値とは、食後の血糖値の上昇度を数値で表したものです。GI値の数値が高いほど血糖値が急上昇しやすく、数値が低いほど時間をかけてエネルギーに変わることを示します。砂糖と同様に摂りすぎには注意が必要ですが、素早く疲労回復したいときは、GI値85以上を目安に上手に取り入れましょう。

<GI値が85以上のもの>

はちみつ、シロップ、レーズン、とうもろこし、パン、シリアル、もち

効果的な栄養摂取や疲労回復のために注意したいこと

疲労回復につながる食べ物を摂るときは、調理法や食べるタイミングも大切です。食事でしっかり疲れを労わりたい方は、次のポイントも押さえながら日常生活に取り入れてください。

ビタミンB群は調理法に注意する

水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群は水に溶けやすい性質があるため、調理法に注意が必要です。ビタミンB群を含んだ食材を茹でると、茹で汁や煮汁にビタミンが流出してしまいます。ビタミンB群を調理する際、次のように調理法を工夫すると、ビタミンの減少を抑えやすくなります。

  • スープなど煮汁ごと食べられる料理にする
  • ビタミンが流出しにくい炒め料理や揚げ料理にする
  • 材料を大きめに切るか、皮付きのまま食べてビタミンの流出を減らす

朝食をしっかり摂る

忙しいときや疲れているときほど、朝食はしっかり摂るようにしましょう。朝食には、体内時計を調整する役割があります。朝食を欠食すると体内時計が後退し、夜間の寝つきを悪化させて、睡眠不足や熟睡の阻害につながることが分かっています。疲労回復に効果が期待できる栄養素や食材を取り入れ、バランスのよい朝食を習慣にしましょう。

就寝直前の食事は控える

就寝直前の食事は、体内時計の乱れや睡眠の質に関わり、疲労回復を妨げます。そのため、就寝に近い時間の食事はできるだけ控えるようにしましょう。仕事でどうしても夕食が遅くなってしまう場合は、夕方に糖質を中心とした食事を摂り、帰宅後に副菜を軽く摂るなど、分けて食事をする(分食)と、睡眠への影響が小さくなるためおすすめです。

疲労回復におすすめのレシピ3選

疲労回復につながるおすすめのレシピを、以下で3つ紹介します。ビタミンB1や鉄の吸収を高めるおかずレシピのほか、即効性の高いドリンクレシピも取り上げているので、ぜひ作ってみてください。

レシピ1:豚肉とマッシュルームの甘辛ガーリック炒め

ビタミンB1が豊富な豚肉と、アリシンを含むにんにくの芽を炒めたレシピです。味つけにバター醤油とみりんを合わせ、お好みで黒こしょうを挽いてピリッと効かせます。おかずにもおつまみにもおすすめの一品です。

レシピ2:あさりとアスパラのボンゴレビアンコ

ボンゴレビアンコは、疲労回復におすすめのレシピです。あさりは鉄分が豊富なだけでなく、ヘモグロビンの材料となるたんぱく質も含まれています。また、ビタミンCと一緒に摂ることで鉄の吸収を高めるため、野菜もふんだんに取り入れましょう。

レシピ3:ラッシー

甘酸っぱい味わいのラッシーは、疲労回復に取り入れたい食材を多く含んでいます。牛乳には、エネルギーとなるATP産生に関わるコエンザイムQ10、レモンはATPを産生するTCA回路を効率的に働かせるクエン酸が含まれています。さらに、砂糖は素早いエネルギー変換に効果的なため、疲れたときだけでなく、夏バテ予防にもおすすめです。

栄養の働きを知り食べ物で上手に疲労回復につなげよう

食べ物で疲労回復するには、ビタミンB群や鉄などのミネラルを含んだ食品を意識的に摂ることが必要です。運動後など素早く回復させたいときは、砂糖を含んだ甘いものも上手に取り入れるといいでしょう。ただし、食べるタイミングやリズムが整っていないと、休養しても十分に回復しないこともあります。日々の食べ物や食べ方を見直しつつ体を整えましょう。

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