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「脂質と糖質の違いがよくわからない」「脂質制限と糖質制限はどちらがいいの?」と、お悩みではないでしょうか。健康的に、効率よくダイエットをするためには、脂質と糖質の役割や、制限した場合の効果などについて詳しく知っておくことが大切です。
本記事では、脂質制限と糖質制限の違いや、向いている方の特徴などについて解説します。ダイエットをする際の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
脂質と糖質の違い
脂質と糖質はどちらも体のエネルギー源として使われますが、その他の体内における役割や、1gあたりのカロリーなどが異なります。まずは脂質と糖質の違いについて詳しく見ていきましょう。
脂質
脂質は、おもにバターやサラダ油などの油脂類や肉類、乳製品などに多く含まれる栄養素です。体の体温調節に関与したり、ホルモンの材料になったりするほか、体内におけるエネルギー源としても利用されます。脂質のカロリーは1gあたり9kcalと、糖質やたんぱく質と比べて高い傾向にあります。過剰に摂取すると肥満や生活習慣病のリスクにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
糖質
糖質はお米やパン、麺類などの主食に多く含まれ、おもに体や脳を動かすエネルギー源として利用されます。糖質のカロリーは1gあたり4kcalと、脂質と比べると控えめです。しかし、糖質は体に貯蓄できる量に限界があるため、過度に摂取すると脂肪に変換されて体内に蓄積しやすいとされています。
脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエット
近年、脂質制限や糖質制限といったダイエット方法が注目されていますが、それぞれの違いがよくわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエットの特徴について解説します。
脂質制限ダイエット
脂質制限ダイエットとは、脂質を多く含む食事を控えてカロリーの過剰摂取を防ぐダイエット方法です。脂質のカロリーは1gあたり9kcalと高いため、脂質の摂取量を抑えることでカロリーを大幅にカットする効果が期待できます。脂質制限ダイエットでは、脂質の摂取量を総カロリーの約20%以下に抑えるのが理想です。たとえば、1日に必要なカロリーが2,000kcalの場合、脂質の摂取量は1日44g程度を目安にするといいでしょう。脂質は炒め油や調味料などにも含まれることが多く、気づかないうちに摂取してしまいがちなので、脂質制限中は毎食の脂質量に細かく注意しましょう。
糖質制限ダイエット
糖質制限ダイエットとは、ご飯やパン、麺類といった炭水化物(糖質)の多い食べ物を制限する方法です。通常、糖質を摂取すると血糖値が上昇し、血糖値を下げるために「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。インスリンには血液中の糖分を脂肪に変える作用があるため、糖質をとりすぎると体内に脂肪が蓄積されやすくなります。糖質制限をすれば、食後の血糖値が上がりにくくなり、インスリンによる脂肪の溜め込みを防ぐ効果が期待できるでしょう。
糖質制限の方法には次の3種類がありますが、健康的に無理せず痩せるためには「プチ糖質制限」からはじめてみることがおすすめです。
糖質制限の種類 | 概要 | 1日の糖質摂取量の目安 |
---|---|---|
スーパー糖質制限 | 1日の3食とも主食を食べない | 10~20g 以下 |
スタンダード糖質制限 | 3食のうち2食は主食を食べない | 70g〜100g |
プチ糖質制限 | 3食のうち夕食だけは主食を食べない | 110g〜140g |
ご飯の糖質は茶碗1杯(約150g)だけでも約55gあり、主食(炭水化物)を1日3食摂ると主食だけで目安量をオーバーしてしまいます。痩せるためには、「毎食の主食の量を減らす」「夜は主食を摂らない」などの工夫が必要になるでしょう。
脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエットのメリット・デメリット
脂質制限と糖質制限のメリット・デメリットについて解説します。脂質制限や糖質制限に取り組んでみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
脂質制限ダイエットのメリット・デメリット
脂質制限ダイエットのメリットとデメリットは次のとおりです。
<メリット>
- カロリーをカットしやすい
- 炭水化物が好きな方は実践しやすい
- 体重減少の停滞やリバウンドが起きにくい
<デメリット>
- 脂質は旨味の源でもあるため、制限しすぎると食事の満足度が下がる
- 調理法に気を使う必要がある(焼き物や揚げ物は控えめにする)
脂質制限ダイエットでは、カロリーの高い脂質の摂取を制限するため、摂取カロリーを抑えやすいでしょう。また、炭水化物も食べられるため、ご飯やパンが止められない方でも、比較的ストレスを感じることなく取り組みやすいでしょう。ただし、脂質制限中は外食で食べられるメニューが少なくなる点に注意が必要です。飲食店の料理は、味をよくするために油を多く使用する傾向にあります。どうしても外食をする必要がある場合は、そば店や寿司店などの脂質が少なめの食事を提供しているお店に絞りましょう。
糖質制限ダイエットのメリット・デメリット
糖質制限ダイエットのメリットとデメリットは次のとおりです。
<メリット>
- ダイエット効果があらわれやすい(糖質+水分が抜けるため)
- 糖質を含む食品以外は比較的自由に食べられるため、空腹を感じにくい
<デメリット>
- 体重が落ちやすい反面、通常の食事に戻すとリバウンドの可能性がある
- 極端な糖質制限は、イライラや集中力の低下などを引き起こす場合がある
- 筋肉量が低下して痩せにくくなる恐れがある
糖質制限の大きなメリットとして、短期間で痩せられる点が挙げられます。糖質制限をすると体の水分が抜けやすくなるため、体重減少効果を早く感じられるでしょう。しかし、糖質制限は短期間で痩せやすい反面、リバウンドしやすい点が特徴です。
また、糖質を制限しすぎるとイライラや集中力の低下、頭痛、めまいなどの不調を招く恐れもあるため注意しましょう。体内の糖質が不足すると、体が筋肉を分解してエネルギーにしようとするため、筋肉が減り、基礎代謝が落ちて痩せにくくなってしまいます。そのため、糖質制限中は脂質やたんぱく質などの栄養素をバランスよく摂取し、適度に運動して筋肉の減少を防ぐことも大切です。
脂質制限が向いている人
脂質制限は、次のような人に向いているといえます。
<脂質制限が向いている人の特徴>
- 炭水化物を減らしたくない
- なるべくダイエットにお金をかけたくない
- 中性脂肪やコレステロール値が気になる など
脂質制限では必要以上に糖質を制限する必要がないため、ご飯やパンなどの主食を食べながらのダイエットが可能です。一般的に、お米やパンなどの主食はおかずよりも値段が安いため、コストパフォーマンスを重視して経済的に痩せたい方にも向いているといえます。
糖質制限が向いている人
糖質制限は、次のような人に向いているでしょう。
<糖質制限が向いている人の特徴>
- ご飯やパンなどの主食を減らしても我慢できる
- 主食よりもおかずを多く食べたい
- なるべく早く体重を減らしたい など
糖質制限をすると、体内の水分が抜けやすく(むくみがとれやすく)なります。また、糖質の摂取を控える分、体内の脂肪が燃焼されやすくなるため、短期間で痩せたい方に向いています。また、糖質制限中は基本的に脂質の制限をする必要はないため、外食を楽しみやすい点も魅力です。
脂質制限や糖質制限をおこなう際の注意点
脂質制限や糖質制限をおこなう際は、おもに次の点に注意しましょう。
<脂質制限や糖質制限をおこなう際の注意点>
- 糖質制限と脂質制限の両方を同時にしない
- 極端に制限せず、ゆるい制限からはじめてみる
- 適度な運動と生活習慣の改善を組み合わせる
「なるべく早く痩せるためには、脂質制限と糖質制限を同時におこなえばいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、健康面に影響する可能性が高いためおすすめできません。脂質と糖質を同時に制限したり、それぞれ過度な制限をしたりすると、栄養不足やカロリー不足になりやすく、体調不良やリバウンドのリスクが高まるためです。また、食事だけで痩せようとすると栄養不足や筋肉の減少につながりやすいため、運動も並行しておこなうと健康的に痩せやすいでしょう。
脂質と糖質についてよくある質問
ここでは、脂質と糖質についてよくある次の質問について回答します。
- 脂質と糖質ではどちらが太りやすいですか?
- 糖質制限で脂質を摂りすぎても大丈夫ですか?
- 1日に脂質60gは多すぎますか?
- 糖質抜きのデメリットは何ですか?
脂質制限と糖質制限についてより詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
脂質と糖質ではどちらが太りやすいですか?
過剰に摂取した場合、カロリーが高い脂質のほうが太りやすい傾向にありますが、実際に太る原因になりやすいのは糖質だと考えられます。脂質は体のエネルギーとなるほかにも、ホルモンの材料になったり体温を調節したりと、さまざまな役割をもっています。そのため、多少摂りすぎたとしても、エネルギー以外の使い道が複数あるのです。一方、糖質の役割の大部分は体のエネルギー源であり、過剰摂取した分は脂肪に変換され、体内に蓄積されやすいとされています。
糖質制限で脂質を摂りすぎても大丈夫ですか?
糖質制限中は、脂質の摂取について過度に気にする必要はありません。糖質制限中に脂質も制限すると、カロリー不足や不調を招く可能性があるためです。また、摂取カロリーが極端に不足すると、体内ではエネルギーを生成するために筋肉の分解が促されます。筋肉が減ると基礎代謝が落ちて痩せにくく、リバウンドしやすい体になってしまいます。糖質制限中は脂質の摂取量を減らすのではなく、オリーブオイルやアボカド、サーモンなどから良質な油を摂取するように心がけましょう。
1日に脂質60gは多すぎますか?
標準範囲ではあるものの、ダイエット中だと少し多めだといえます。1日の脂質の摂取量の目安は、1日の摂取エネルギーの20~30%だとされています。1日の摂取エネルギーが2,000kcalの男性では44~67g、1日の摂取エネルギーが1,800kcalの女性では40~60gです。脂質制限ダイエットでは、脂質の摂取量を総カロリーの約20%以下に抑えられるといいでしょう。
糖質抜きのデメリットは何ですか?
糖質を極端に制限すると、「イライラする」「集中力が低下する」「筋肉量が低下して痩せにくくなる」といった、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。ダイエットにストイックになりすぎるあまり、糖質を極端に避ける方もいるかもしれませんが、糖質抜きはリスクが高いため控えましょう。
まとめ
脂質制限と糖質制限にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、個人の食事の好みやライフスタイルなどに合わせて適しているものを選ぶといいでしょう。脂質や糖質を制限しすぎたり、数日や1週間などの短期間で痩せようとしたりすると、栄養不足や体調不良を招く可能性があるので注意が必要です。ストレスを溜めることなく、無理のない範囲でダイエットを実践しましょう。