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たんぱく質が不足するとどうなる?たんぱく質不足による症状や病気についても解説

「たんぱく質が不足すると、体にどのような影響が出るのか」「たんぱく質を効率的に摂取する方法が知りたい」といった疑問やお悩みを抱えていないでしょうか。たんぱく質は体にとって非常に重要な栄養素であり、不足すると疲れやすさや太りやすさ、イライラなどを感じることがあります。

本記事ではたんぱく質不足によって起こりうる症状や、たんぱく質を効率的に摂取するためのコツなどについて解説します。

たんぱく質が不足するとどうなる?

忙しくて普段の食生活が偏っていたり、ダイエット中で栄養不足になったりしていないでしょうか。たんぱく質の摂取量が不足すると、筋肉が落ちて太りやすくなったり疲れやすくなったりと、さまざまな不調が生じる可能性があります。

筋肉が落ちて太りやすくなる

筋肉の材料であるたんぱく質が不足すると、筋肉量が低下して基礎代謝量が落ちる可能性があります。基礎代謝とは、体温や呼吸の維持をはじめとする、生命維持に必要なエネルギー量のことです。筋肉量が減って基礎代謝量が低下すると、同じ量の食事を摂ってもエネルギーを消費しにくくなるため、太りやすくなるといえます。

疲れやすくなる

体内のたんぱく質が不足すると、ドーパミンやセロトニンなどの脳内物質が十分につくられず、疲労につながることがあります。脳の動きが鈍くなると、集中力の低下や、やる気が出ないといった症状も生じやすくなるでしょう。また、たんぱく質が不足した結果、筋力が低下することで疲れやすくなることも考えられます。

病気になる可能性がある

たんぱく質が慢性的に不足すると、下記のような不調や病気を招く恐れがあります。

  • 筋肉減少症(サルコペニア)
  • 免疫機能の低下
  • 貧血

「サルコペニア」とは、加齢に伴い、筋肉量や筋力が減少した状態のことです。筋肉量が減ると、身の回りの動作が難しくなったり、疲れやすくなったりして活動量も低下してしまうでしょう。また、たんぱく質の不足により、免疫力の低下や貧血などのリスクも考えられます。体の免疫機能に関わる物質はたんぱく質でできているため、たんぱく質が不足すると感染症にかかりやすくなる恐れがあるのです。体中に酸素を運ぶ物質である「ヘモグロビン」の一部はたんぱく質で構成されているため、たんぱく質が不足すると貧血になる可能性もあります。

たんぱく質が不足する理由

たんぱく質が不足する要因には、主に次のようなものが挙げられます。

  • ダイエットによる過度な食事制限
  • 経済的な理由や調理の手間から、肉や魚などたんぱく質食を避ける
  • 加齢により1回の食事量が減る

何か特定のものだけを食べるダイエットや、カロリーを極端に制限したダイエットをしていると、どうしてもたんぱく質の摂取量が不足しがちです。また、朝食を食べる習慣がない方や、仕事が忙しくて食事を摂る暇がない方でも、たんぱく質の摂取量が不足する傾向にあります。たんぱく質は肉や魚などの食材に豊富ですが、値段が高いことや調理の手間がかかることから、あまり食べる習慣がない方もいるでしょう。加齢に伴い、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)機能が低下したり、食欲がなくなったりすることでもたんぱく質不足におちいりやすいといえます。

たんぱく質不足を補うためのコツ

たんぱく質不足を補うためには、主に次のようなポイントを意識するといいでしょう。

  • 1日に必要なたんぱく質の量を把握する
  • たんぱく質が豊富な食べ物を知る
  • 普段の食事とあわせてプロテインを活用する

普段の食事を思い返したときに「たんぱく質をなかなか摂れていない」と感じる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1日に必要なたんぱく質の量を把握する

たんぱく質不足を防ぐためには、どのくらいの量のたんぱく質を摂取すべきか認識する必要があります。日本人の食事摂取基準によると、たんぱく質の推奨量は18~64歳の男性で1日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は1日50gです。これらのたんぱく質を摂取するのに「食材のたんぱく質量を毎回確認するのは面倒」という方には、「手ばかり栄養法」がおすすめです。「手ばかり栄養法」とは、手のひらを使って食材をはかり、バランスよく食事を摂る方法を指します。具体的には、1食につき手のひら1つ分の食材を選びます。食材の例を出すと、1食につき、肉や魚は手のひら1つ分の厚さと大きさのものを選び、豆腐は1/3~1/2丁、卵は1つが目安です。

また、腎臓疾患がある方は、たんぱく質の摂取量に制限が必要な場合があるため、摂取量についてはかかりつけ医の指示に従いましょう。

たんぱく質が豊富な食べ物を知る

たんぱく質不足を解消するためには、たんぱく質が豊富な食材を知り、毎日の食事に意識的に取り入れることが大切です。たんぱく質は肉類や魚類、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。

<食品に含まれるたんぱく質量>

食品 たんぱく質含有量
サラダチキン(110g) 26.5g
ささみ2枚(80g) 19.1g
卵1個(50g) 6.1g
さば缶(180g) 37.6g
ツナ缶ライト(70g) 12.4g
豆乳1本(200ml) 6.4g
納豆1パック(40g) 6.6g
牛乳1本(200ml) 6.8g

成人女性の場合、1日のたんぱく質摂取量の目安は50gなので、サラダチキンをひとつ食べれば1日の半分量を簡単に満たせることがわかります。自炊する習慣がない方や、忙しくて料理をする時間が取れない方でも、コンビニでサラダチキンを買ったり、スーパーでさば缶を買ったりすれば、手軽にたんぱく質を補給できるでしょう。また、日々の食事に納豆1パックをプラスしたり、ジュースの代わりに豆乳を飲んだりすることもおすすめです。

普段の食事とあわせてプロテインを活用する

仕事が忙しくて1日3食をなかなか摂れない方や、朝食を食べる習慣がない方などは、食事の回数が減ることでどうしてもたんぱく質の摂取量が低下するでしょう。また、外食が多くて栄養バランスが偏りがちな方も、たんぱく質の摂取量が不足しがちです。さまざまな理由により、食事だけでは十分なたんぱく質を摂取できない場合は、補助的にプロテインを活用する方法もあります。忙しい方や自炊する習慣がない方でも、プロテインなら手軽にたんぱく質を補えるでしょう。

たんぱく質についてよくある質問

ここでは、たんぱく質についてよくある下記の質問について回答します。

  • たんぱく質が不足しているときのサインは?
  • たんぱく質が不足するとお腹が出るって本当?
  • たんぱく質不足とイライラは関係ある?
  • 高齢者のたんぱく質不足はとくに気をつけなければいけない?

たんぱく質が不足することによるリスクについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

たんぱく質が不足しているときのサインは?

たんぱく質が慢性的に不足している場合、次のような症状があらわれる場合があるでしょう。

  • 常に疲れを感じる
  • 髪や肌のツヤがなくなる
  • 爪に縦スジが入る

たんぱく質は脳が正常に機能するために重要な栄養素であるため、不足すると集中力が低下したり、やる気がなくなったりすることもあります。体内のたんぱく質は、不足すると生命維持に関わる部位への供給が優先されるため、肌や髪の毛、爪などへの供給は後回しになってしまいます。そのため、たんぱく質が不足すると髪や肌のツヤがなくなったり、爪が割れやすくなったりするのです。

たんぱく質が不足するとお腹が出るって本当?

太らないようにするには、「脂質と糖質だけに気をつければよい」と思っている方は多いかもしれません。しかし、たんぱく質が不足することでも、太ってお腹に脂肪がつきやすくなる可能性があります。たんぱく質は筋肉の材料となる栄養素であるため、たんぱく質の摂取量が不足すると、筋肉量が減って基礎代謝量が低下します。基礎代謝量が下がると、同じカロリーを摂取しても脂肪が蓄積されやすくなるため、お腹周りに脂肪がつきやすくなると考えられるのです。

たんぱく質不足とイライラは関係ある?

たんぱく質の摂取量が不足している方は、イライラしやすい傾向にあるといえるでしょう。ストレスや怒り、不安などの抑制には「セロトニン」と呼ばれる脳内物質が関与しています。たんぱく質にはセロトニンの材料である「トリプトファン」が含まれるため、たんぱく質が不足するとイライラや気分の落ち込みなどを引き起こしやすくなります。

高齢者のたんぱく質不足はとくに気をつけなければいけない?

加齢に伴い筋肉が減少すると、筋力が低下して身の回りの動作がしにくくなったり、転倒につながったりする恐れがあります。そのため、高齢者はとくにたんぱく質不足に注意する必要があります。高齢者が1日に必要なたんぱく質の量の目安は「(1.0~1.2g)×体重(kg)」であり、体重が50kgの方なら50~60gが必要です。高齢者は、食欲が減ったり咀嚼が難しくなったりすることで、たんぱく質を多く含む肉や魚の摂取量が減る傾向にあります。食べやすいようにひき肉を使ったり、材料をやわらかく煮たりして工夫をするとよいでしょう。

まとめ

たんぱく質は体にとって非常に重要な栄養素です。たんぱく質が不足すると、筋肉量の低下や集中力の低下などの不調が生じる可能性があります。たんぱく質をしっかり摂るためには、自身に必要なタンパク量の把握や、たんぱく質が豊富な食材を知ることなどが大切です。忙しくて食生活が偏りがちな方や、自炊する習慣がない方などは、食事の工夫とあわせてプロテインを活用してたんぱく質を補給することもひとつの方法です。たんぱく質が不足しないよう日々の生活を見直し、健康的な毎日を過ごしましょう。

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