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免疫力を高める方法10選|食事・生活のポイントと知っておきたい体の仕組み

免疫力を高める方法を知りたいものの、具体的に何をすればいいのかよくわからない方は多いのではないでしょうか。免疫力を高めるためには、日頃の食事の内容や生活習慣を見直すことが大切です。本記事では、食事と生活習慣それぞれの観点から、免疫力を高める方法10選を紹介します。また、免疫力のカギとなる体の仕組みも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

免疫力を高める5つの方法【食事編】

食事を通じて免疫力を高めるには、何を・どう食べるかを知って取り入れることが大切です。免疫力を高めるために取り入れたい食品や、意識したい食べ方5選を紹介しているので、参考にしてください。

1日3食規則正しくとる

免疫力を高めるには、食事は1日3食とることが大切です。1日に必要な栄養をとるには、少ない食事回数よりも、3回に分けて食事をするほうが栄養をとる機会が増え、免疫力アップにつながります。また毎日の食事のタイミングを一定にすることで、生活や排便のリズムが整いやすくなります。

さらに、食事はできるだけ主食、主菜、副菜を揃え、バランスを意識することも大切です。品数が少なかったり同じ食材が続いたりすると、栄養が偏りやすくなります。食材の組み合わせを変える、調理法を変えるなどすると、バリエーションが増えて偏りを防げるため、できる範囲で取り入れてみてください。

よく噛んでゆっくり食べる

唾液には、免疫力を高める酵素が含まれています。噛む回数が増えるほど唾液量が増えるため、免疫細胞の活性化に効果的です。また、噛む回数が増えるとゆっくり食べるようになるため、満腹中枢を十分に刺激します。結果として、食べ過ぎや肥満防止にもつながります。噛む回数を増やすには、歯ごたえのある食材を使う、いつもより少し大きめに食材を切るなどして、工夫してみましょう。

たんぱく質を摂る

たんぱく質は、筋肉や臓器などを構成する成分です。ほかにも、ホルモンや酵素・抗体などの体の調節機能に関わり、免疫細胞を作る主要成分でもあります。たんぱく質が不足すると、体力だけでなく免疫機能の低下につながるため、食事ごとにしっかり摂るようにしましょう。

たんぱく質を主要成分とする食材には、卵や肉・魚・豆類などがあり、さまざまな食品からバランスよく摂ることが大切です。ただし、過剰摂取は腎臓に負担をかける恐れがあります。1日に摂るたんぱく質の量は、卵・肉・魚・豆類などの食品が両手に入る程度を目安にするといいでしょう。

活性酸素対策のあるビタミンを摂る

食事を通じて免疫力を高めるためには、活性酸素の働きを抑える働きがあるビタミンを一緒に摂るようにしましょう。活性酸素が体内に増え過ぎるとがんや老化、免疫機能の低下の原因となります。

具体的には、ビタミンA、C、Eなどが、活性酸素対策のあるビタミンです。それぞれのビタミンが豊富に含まれる食品の例は、以下のようなものがあります。

  • ビタミンAが豊富な食品:緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草など)
  • ビタミンCが豊富な食品:じゃがいも、キウイ、柑橘類など
  • ビタミンEが豊富な食品:かぼちゃ、アボカド、ナッツ類など

ビタミンA、Eは油に溶けやすい(脂溶性)性質をもち、油と一緒に摂ることでビタミンの吸収が高まります。一方、水に溶けやすい(水溶性)性質をもつビタミンCは、茹でるとビタミンが水に溶け出しやすいため、スープのように汁ごと飲める料理や、サラダなどで食べるといいでしょう。

腸内環境を整える食品をとる

腸内には、多数の腸内細菌が存在します。食べ物を通じて腸内環境を整えておくと、免疫力アップに効果的です。とくに腸内の善玉菌が活性化する食べ物は効果が期待できます。善玉菌が活性化すると、悪玉菌の活動を抑えて、感染症の予防や体の免疫力アップにつながるためです。

善玉菌を活性化させるには、善玉菌を含む食品(プロバイオティクス)を直接とる方法と、腸内にもともと存在する善玉菌のエサになる食品(プレバイオティクス)をとる方法の2つがあります。それぞれの食品例は、以下の通りです。

特徴 具体的な食品
善玉菌を含む食品
(プロバイオティクス)
ビフィズス菌や乳酸菌を含むもの 発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト・チーズ・キムチなど)
善玉菌のエサになる食品
(プレバイオティクス)
オリゴ糖や食物繊維が豊富なもの 野菜・果物・きのこ・海藻など

どちらも積極的に取り入れることで、善玉菌の活性化と腸内環境改善につながります。

免疫力を高める5つの方法【生活編】

免疫力を高めるには、日常生活の過ごし方も重要な要素です。生活の中で免疫力アップにつながるポイント5選を紹介します。

日光を浴びる

日光を浴びるのは、免疫力を上げるのに有効です。朝日光を浴びると体内時計がリセットされ、神経伝達物質「セロトニン」が分泌されます。セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」の原料となり、夜間の睡眠の質が高まって寝つきが良くなります。ぐっすりと眠ることで休養と体の回復につながり、免疫力アップに効果的です。

適度な運動をする

日常的な運動は、免疫力を高めるために有効な手段の1つです。がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する免疫細胞の一種「NK細胞」は、体温36.5℃以上で活発に働きます。体温を上げるためには、運動を習慣化して筋力をつけることが有効です。運動の習慣がない方は、次の活動を目安に少しずつ取り入れてみてください。

  • 1日60分以上のウォーキングをする(8,000歩/日以上目安)
  • 息が弾み汗をかく程度の運動をする(週60分以上目安)
  • 筋力トレーニングをする(週2〜3回目安)

風呂で湯船に浸かる

湯船に浸かると副交感神経が優位になるため、リラックス効果や睡眠の質が向上し、免疫力アップにつながります。40℃前後の少しぬるく感じる程度の湯船に15分程度浸かると体温が上がるため、効果的です。逆に、42℃以上の熱い風呂は交感神経を刺激して心身を目覚めさせてしまうため、おすすめできません。

また、夏の時期は、長時間冷房を効かせた室内や寒暖差の激しい場所を行き来していると、自律神経のバランス悪化から免疫機能が低下するおそれがあります。暑くてシャワーで済ませがちですが、日常的に湯船に浸かるようにしましょう。入浴は汗をかいて、気づかないうちに体の水分が失われます。入浴前後は水分補給をするようにしてください。

良質な睡眠をとる

睡眠は、心身を回復させるのにもっとも大切な時間です。しかし、頭では分かっていても睡眠時間がしっかり取れている、熟睡できていると実感している人はあまり多くないのではないでしょうか。以下、良質な睡眠につながるポイントをまとめているので、できるところから取り入れてみましょう。

  • 平日・休日の起床時間を一定にする
  • 起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
  • 午前中は日がさす場所や窓際で過ごす
  • 眠気があるときは20〜30分仮眠をとる
  • 夕方以降はカフェインが入ったものを控える
  • 入浴は就寝時間の1〜2時間前にする
  • 寝る前にテレビやスマートフォンを見るのは控える
  • 無理に眠らず眠気を感じてから布団に入る

心地よいと思えることをする

食事や適度な運動のほか、自分が心地よいと感じることをするのも、免疫力を上げるのにつながります。好きな音楽を聴く、歌う、映画を観る、マッサージをする、好きな番組を見て笑う、外を散歩するなど、自分なりのリフレッシュ方法を見つけてこまめに時間を作るようにしましょう。

また、リフレッシュ方法は計画が必要なものだけではなく、今すぐにできるような小さなものもリストアップしておくと、思い立ったときにすぐリフレッシュできるのでおすすめです。

免疫力アップのカギとなる体の仕組み

免疫力を高めるには、体のどの部分や要素がつながっているかなど、免疫機能に関わる体の仕組みを知ることも大切です。

自律神経のバランス

自律神経は体の機能を調節し、免疫力につながる白血球の数や活性化をコントロールしています。自律神経とは、交感神経と副交感神経の2種類で成り立っており、交感神経は仕事や勉強、運動などで優位に働き、適度な緊張感をもって心身を働かせます。

一方、副交感神経が優位になると、仕事や運動で疲れた心や体を癒すリラックスモードになります。免疫力アップのためには、この2つの神経がバランス良く働いていることが大切です。しかし、仕事が忙しいときや長期間ストレスを感じていると、交感神経が活性化した状態が続いてしまうため、自律神経のバランスは崩れやすくなります。

自律神経のバランスを整えるには、日光を浴びる、ぬるめのお湯に浸かるなどして良質な睡眠をとるほか、こまめにリフレッシュする時間を意識して作るようにしましょう。

腸内環境

免疫力には、腸内環境も深く関わっています。腸内には、体の免疫細胞の60%が存在しているといわれます。腸管の免疫機能が発達しているのは、食べ物と一緒に毒素や病原菌が入って体内に感染するのを防ぐためです。

腸内細菌の数と種類を増やすと、腸内環境が整い免疫細胞の活性化につながります。免疫力アップを期待する場合、善玉菌を含む発酵食品や、善玉菌のエサとなる食物繊維が豊富な食品を積極的にとり、善玉菌を活発化させることが大切です。

免疫力は年齢とともに低下

私たちは加齢にともない、体本来がもつ免疫機能が衰えていきます。また、年齢を重ねるにつれて食事摂取量が減ることも、免疫力低下の一因となります。加齢で体が衰えるのは避けられないものの、1日3回の規則的な食事摂取、運動の習慣化などを意識し、免疫力アップにつながる生活を心がけましょう。

まとめ

免疫力を上げるには、食事の内容や適度な運動、生活リズムの見直しが不可欠です。一朝一夕には大きな変化は望めませんが、体の仕組みを理解し、日々自分の体調を見つめることで、小さな変化に気づきやすくなります。この記事を参考に、無理のない範囲で取り組んでみてください。

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