重要なお知らせ

ビタミン・ミネラルが不足するとどうなる?原因や多く含むおすすめ食材をわかりやすく紹介

カルシウム、マグネシウムなどのミネラルは、たんぱく質や炭水化物、糖質やビタミンとともに5大栄養素の一つに数えられ、体の細胞が正常に機能するために欠かせません。しかし、体内で作り出すことができないため、不足しがちな栄養素といわれています。また、ミネラルが体の中でうまく機能するためには、ビタミンなど他の栄養素と合わせて摂取することが重要です。

本記事では、ビタミンとミネラルの役割や、不足しやすいミネラルの種類、効率のよいミネラルの摂取方法まで解説します。

体の調子を整えるビタミンとミネラル

ミネラルはビタミンとともに体が正常に機能するうえで欠かせない栄養素です。ミネラルが体の中でどのような役割を担っているのか解説します。

ビタミンとミネラルとは

ビタミンとミネラルは5大栄養素に数えられる体に必要不可欠な栄養素です。5大栄養素には、体を作る材料となるたんぱく質、エネルギー源となる炭水化物や糖質、そして体の調子を整えるビタミンとミネラルがあります。ビタミンとミネラルは体で必要量を合成できないため、食品などから摂取する必要があります。ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられ、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは脂溶性ビタミンで、ビタミンC、ビタミンB群が水溶性ビタミンです。ミネラルは、代表的なものにカルシウム、マグネシウム、リン、鉄などがあります。なかでも人の体に必要不可欠な16種類のミネラルは「必須ミネラル」と呼ばれています。

ビタミン・ミネラルの役割

ビタミンは、糖質や脂質・たんぱく質をエネルギーに変える役割や、血管や皮膚など体を丈夫に維持する役割があります。ミネラルには、骨や血液など体を構成する成分としての役割、神経や筋肉の働きをサポートする・新陳代謝を司るホルモンとしての役割、体液の浸透圧を調整し細胞の機能を維持する役割があります。栄養素はお互いに補い合い作用しているため、一つの栄養素だけを補うのではなくバランスよく摂取することが大切です。ビタミン不足にならないように意識して摂取している人は多いと思いますが、同時にミネラルも不足しないように意識して摂取する必要があります。

ビタミンとミネラルが不足・過剰になるとどうなる

ビタミンやミネラルは、種類によって不足しやすいものと過剰になりやすいものがあります。どちらの場合も体をうまく調整できずさまざまな症状を引き起こすかもしれません。ここでは、ビタミンとミネラルの不足・過剰摂取するとどうなるのか、現代人の摂取状況とともに解説します。

日本人のビタミン・ミネラルの摂取状況

厚生労働省の国民栄養調査結果を参照すると、現代人はビタミン・ミネラル不足といえるでしょう。カルシウムの1日摂取推奨値は620~790mg(※性別・年齢により異なる)に対し、成人の平均摂取量は401〜536 mg、ビタミンAの摂取推奨値は650〜900μgに対し、成人の平均摂取量は438〜601μgと不足していることがわかります。原因の一つとして考えられるのが野菜の摂取量の不足です。

厚生労働省では成人が1日に摂取する野菜の目標量を350gと定めていますが、実際の摂取量の平均値は212.1〜322.9gに留まっています。一方で、加工食品などに含まれがちなリンや調味料に多く含まれるナトリウムは過剰となっています。

ビタミンやミネラルが不足しやすい原因

そもそも野菜の1日あたりの摂取目標量が350gとされている理由として、野菜に含まれている栄養素が少なくなっていることが挙げられます。野菜は、成長段階で畑の土に含まれるビタミンやミネラルを吸収していますが、化学肥料を使用し短期間で栽培する方法により、土壌に含まれる栄養素を野菜が吸収する前に収穫されることもあります。また、そもそも土壌に含まれるビタミンやミネラル量が昔より減少していることも原因の一つです。

不足しやすいミネラルとその症状

現代人が不足しやすいミネラルは、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などです。骨や歯の形成に関わるカルシウムやマグネシウムが不足すると、子どもでは発育障害、高齢者では骨粗鬆症の原因となるため、不足しないように摂取することが推奨されています。また、マグネシウムは神経や筋肉の働きにも影響しており、不足することで集中力の低下や気分の落ち込み、不眠、不整脈や筋肉の痙攣などの症状を引き起こし、長期に不足することで高血圧や心筋梗塞などのリスクも高くなります。鉄は、月経のある女性は特に不足しやすい栄養素で不足すると貧血になり、疲れやすくなり、頭痛や息切れ立ちくらみなどの症状がでます。その他、亜鉛が不足すると味覚異常を引き起こすなど、必須ミネラルが不足する影響は小さくないでしょう。

過剰摂取に気をつけたいミネラルとその症状

インスタント麺や加工食品にはリン酸塩という成分が含まれています。リンは骨や歯の形成に必要なミネラルですが、過剰摂取するとカルシウムや鉄分の吸収率を阻害するため摂り過ぎには注意が必要です。また、ナトリウムを摂り過ぎるとむくみや口の渇きなどの症状があらわれ、血中のナトリウム濃度が高い状態が続くことで高血圧や動脈硬化に進行します。

ミネラルが多く含まれる食品は

不足しやすいミネラルや摂り過ぎに注意したいミネラルが多く含まれている食品についてご紹介します。

不足しやすいミネラルが多く含まれている食品

<カルシウム>

1日の摂取推奨量は男性で700〜790mg、女性で620〜670mgです。カルシウムは、主にししゃもやイワシなどの魚、海藻、乳製品、小松菜やちんげん菜などの緑黄色野菜に多く含まれています。カルシウムの吸収を促すビタミンDや、ビタミンKと一緒に摂取すると効率的です。ビタミンDは舞茸や干し椎茸などのきのこ類、サンマや鮭などに多く含まれており、ビタミンKはわかめやひじきなどに含まれています。

<マグネシウム>

1日の摂取推奨量は男性で320〜370 mg、女性で260〜290 mgとされています。(※サプリメントや薬に含まれるマグネシウムの上限量)おもにひじきやわかめ昆布などの海藻類、大豆や豆腐、きな粉などの豆類、ほうれん草や枝豆などの野菜に多く含まれています。

<カリウム>

1日の摂取推奨量は男性で2,800〜3,000 mg、女性で2,400〜2,600 mgです。おもに果物やほうれん草・みつば・枝豆などの野菜、海藻類やきのこ類に多く含まれています。

<鉄>

1日の摂取推奨量は男性で7.0 mg程度、女性で6.0mg〜11.0 mg以上とされています。おもにレバー、牛ヒレ肉・ひじきなどの海藻類、イワシやカツオなどの魚介類、小松菜やほうれん草といった緑黄色野菜に多く含まれています。なお、レバーや魚介類などに多く含まれる鉄は「ヘム鉄」と呼ばれ、野菜に含まれる非ヘム鉄よりも、体に吸収しやすいことがわかっています。鉄はビタミンCにとって吸収を高められるため、ビタミンCが多く含まれるブロッコリーやピーマンなどの野菜や、果物と一緒に食べることを意識するといいでしょう。

<亜鉛>

1日の摂取推奨量は男性で10〜11 mg程度、女性で8 mgです。牡蠣・豚肉・納豆やゴマ、きな粉などの豆類に多く含まれています。

摂り過ぎに注意したいミネラルが多く含まれている食品

<ナトリウム>

ナトリウムの1日の摂取推奨量は食塩相当量で男性7.5 g未満、女性で6.5〜7.0 g未満です。食塩、しょうゆ、みそなどの調味料、練り物、インスタント食品や加工食品、漬物などに多く含まれており日常的に摂取量が増えがちです。日頃から塩分量を控えめにして薄味を心がけましょう。

<リン>

1日の摂取推奨量は男性で1000 mg程度、女性で800 mg。リンを摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。ハム・ベーコンなどの加工食品、インスタント食品、スナック菓子、清涼飲料水などに多く含まれるので食べ過ぎに注意しましょう。

効率よくミネラルとビタミンを摂取する方法

ミネラルやビタミンが多く含まれている食品を選んでも、1日に何品目も準備するのは手間がかかりますし、調理の過程で失われてしまうこともあります。ここではビタミンやミネラルを効率よく摂取する方法を紹介します。

旬の野菜を適した調理方法で摂取する

時期を過ぎた野菜より旬の野菜の方が栄養素を多く含んでいます、温野菜は、生野菜よりも「かさ」を減らせるので、量を摂取しやすくなります。ただし、カリウムはビタミンBやビタミンCなどの水溶性ビタミンと同じく水に溶けやすい性質を持っているため、茹でると茹で汁にカリウムが流れ出てしまいます。みそ汁やスープなど汁ごと食べるメニューにするといいでしょう。また、ビタミンAなどの脂溶性ビタミンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、炒め物がおすすめです。

サプリメントをうまく利用する

食材に含まれるミネラルやビタミンの量はわかりにくく、確実に摂取するにはサプリメントがおすすめです。ビタミンとミネラルをバランスよく配合したマルチビタミン・ミネラル(MVM)サプリメントもあります。料理に比べて手軽に摂取できるので、ぜひ生活に取り入れてみましょう。過剰摂取を避けるためにも1日の摂取量を守ることも重要です。

まとめ

ミネラルは、ビタミンとともに体のさまざまな機能を正常に働かせるうえで重要な栄養素で、不足していても過剰に摂取していても不調を招き、長期に至ると骨粗鬆症や高血圧などにも進行する可能性があります。加工食品などの食べ過ぎには注意し、旬の野菜や魚などを意識して食べることや、サプリメントを上手に活用しましょう。

TOPに戻る