脂質は大切なエネルギー源ですが、過剰に摂取すると健康へのリスクがあるため、脂質制限に取り組んでいる人も多いでしょう。本記事では簡単に作れる脂質制限メニューや作り置きのレシピ、脂質制限を成功させるコツを紹介します。
脂質を摂りすぎるとどうなる?
脂質を摂取しすぎると生活習慣病になったり、心筋梗塞といった循環器疾患を引き起こしたりする可能性があります。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の男女の飽和脂肪酸摂取の目標量は、総摂取エネルギーの7%相当以下とされています。しかし、令和元年(2019年)国民健康・栄養調査の調査によると、20歳以上の日本人の飽和脂肪酸の平均摂取量は、総摂取エネルギーの8.4%と目標量を上回っています。
脂質はエネルギーとして働くほかにも、種類によっては健康にいい影響を与えることもあるため、量だけでなく「質」に着目した食生活を心がけることが大切です。
脂質制限を成功させるコツ
脂質制限は1日の摂取エネルギーのうち、脂質を20%以内に抑えるのが理想といわれています。たとえば1日に必要なエネルギーが2,000kcalの場合、脂質の摂取量は44g程度が目安です。脂質制限を成功させるためには、食材の栄養素に関する知識を身につけ、食材選びを工夫することが大切です。成分表示で脂質量を確認するだけでなく、脂の質にもこだわりながら脂質制限に取り組みましょう。
脂質が少ない食材を知る
脂質制限のためには、脂質の少ない食材を選ぶことが大切です。以下のような脂質が少ない食材をバランスよく食事に取り入れて、脂質制限に挑戦してみてください。
- 貝類
- 甲殻類
- 野菜全般
- 無脂肪の乳製品
- 大豆
- きのこ
- 海藻類
- 赤身の魚や肉類
食材の選び方を工夫する
たんぱく質が豊富な肉類や魚介類、乳製品は部位や種類の選び方を工夫するだけで脂質量を抑えることができます。肉類や魚介類、乳製品を選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 肉類:ヒレやモモ肉など、赤身が多い部位を選ぶ
- 魚介類:白身魚やマグロ、カツオなどの赤身を選ぶ
- 乳製品:低脂肪・無脂肪の商品を選ぶ
イワシやアジ、サバなどの青魚は脂質量が多いものの、同時に良質な脂であるDHAやEPAが多く含まれているため、積極的に摂取を心がけたい食材の候補です。
脂質制限の注意点
脂質制限がなかなか成功しないという方は、気づかないうちに脂質を摂取してしまっている可能性があります。次の注意点を参考に、改めて食生活を見直してみましょう。
脂質が多い食品はなるべく避ける
脂質量が多い食品には以下のようなものがあります。特に、加工食品はカロリーも高いため注意が必要です。
- 牛肉や豚肉の脂身
- インスタントラーメン(カップ麺)
- クロワッサン
- ポップコーン
- スナック菓子
油脂を使用して加工された食品は脂質が高いうえにカロリーも高いので、頻度を減らしてみましょう。また麺類やパン類はご飯と比べて脂質量が多いので、主食に麺やパンを選ぶことが多い人は気をつけてみてください。
調理油の選び方に気をつける
脂質制限中だからといって、調理に油を使わない方がいいというわけではありません。以下は良質な油のため、適量摂取することで健康維持にも役立ちます。
- オリーブオイル
- ごま油
- アマニ油
- MCTオイル
- チアシードオイル
市販のドレッシングには油が多く使われているため、ノンオイルのものを選ぶか、オリーブオイルを使って手作りするのがおすすめです。
過酸化脂質を増やさない努力も大切
摂りすぎた脂質は酸化すると過酸化脂質に変化し、肌や血管、細胞などに悪影響を与えるといわれています。過酸化脂質を増やさないためには、植物などが有害な物質から自身を守るために身につけた成分である「ファイトケミカル」を持つ食材の摂取がおすすめです。ファイトケミカルの中でも注目されているのは、ポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物があります。これらのファイトケミカルが含まれる主な食品は次のとおりです。
- ポリフェノール:ブルーベリー、ブドウ、大豆、緑茶、果実類、カカオ、ブロッコリー、タマネギなど
- カロテノイド:ニンジン、カボチャ、ミカン、ホウレンソウ、トマト、スイカなど
- 含硫化合物:ダイコン、ワサビ
ファイトケミカルは健康維持に重要といわれています。野菜や果物、飲み物など、バランスよく食事に取り入れ、健康を目指しましょう。
簡単!おすすめの脂質制限メニュー
脂質制限を成功させるポイントの一つは自炊することです。外食やコンビニ食では知らず知らずのうちに脂質が多くなりがちです。今回は簡単な脂質制限メニューや作り置きレシピを紹介しますのでぜひ参考にしてください。
野菜と大豆ミートのスープ
豚ひき肉の代わりに大豆ミートを使って、ヘルシーに仕上げる野菜スープです。たんぱく質は1人分あたり9.2g、食物繊維は5.4gと栄養素がしっかりとれる一方で、カロリーは114kcal、脂質は2.6gに抑えられるのもうれしいポイント。
■材料(2人分)エネルギー114kcal/脂質2.6g(1人分)
- 白菜 100g
- 大根 100g
- 人参 1/3本(50g)
- 長ねぎ 10g
- しょうが(すりおろし) 小さじ1/2
【A】
- エサンテ™ 大豆ミート 1パック
- 12ヶ月の食卓™ 白だし 大さじ2
- 水 300ml
- 12ヶ月の食卓™ 塩 少々
- エサンテ™ セサミオイルE 小さじ1
■作り方
- 白菜はざく切り、大根、人参はいちょう切り、長ねぎは輪切りにする。
- 中ソースパンにごま油、しょうが、白菜、大根、人参、長ねぎを入れ、IR7(中火)で炒める。
- 全体に油が回ったら、【A】を加えてフタをして加熱する。沸騰してきたら、IR4(弱火)にして4~5分煮る。
- レシピ詳細はこちら>>野菜と大豆ミートのスープ|QUEENレシピ+:Amway(日本アムウェイ)
抹茶プロテイン入りわさびだし茶漬け
わさびと抹茶の風味が絶妙にマッチした、主食として美味しい一品。脂質は1人分3.3gに抑えています。梅干しはクエン酸や植物性乳酸菌が豊富でヘルシーな食材。ぜひ朝に摂りたいレシピです。
■材料(1人分)エネルギー411kcal/脂質3.3g
- 鶏ささみ 2本(100g)
【A】
- 料理酒 小さじ2
- 12ヶ月の食卓™ 塩 小さじ1/4
- 梅干し 2個
- 小ねぎ 2本(10g)
- ごはん 2杯(300g)
- バランスプロテインミックス™ (抹茶) 山盛り大さじ2(23.5g)
【B】
- 熱湯 300ml
- バランスプロテインミックス™ (抹茶) 山盛り大さじ2(23.5g)
- 12ヶ月の食卓™ 白だし 大さじ2
- わさび(すりおろし・またはチューブ) 小さじ1
■作り方
- 鶏ささみは【A】を揉みこむ。小ねぎは小口切りにする。
- 小ソースパンに水400mlを入れ、IR8(中火)で加熱する。沸騰したら鶏ささみを入れてフタをしてIR3(弱火)で3分茹でる。上下を返して同様に3分茹で、取り出してほぐす。
- ごはんにバランス プロテイン ミックス™(抹茶)を大さじ山盛り2を入れて混ぜ、茶碗に等分に盛る。それぞれに、ほぐしたささみと梅干しをのせ、合わせた【B】を注ぐ。仕上げに小ねぎを散らす。
- レシピ詳細はこちら>>抹茶プロテイン入りわさびだし茶漬け|QUEENレシピ+:Amway(日本アムウェイ)
大豆ミートのチリコンカーン
大豆ミートとミックスビーンズなどを煮込んだチリコンカーン。脂質は1人分4.1gです。ケチャップやウスターソースで簡単に味付けでき、作り置きしておけば副菜としても大活躍。小分けにして冷凍すると、1ヶ月ほど保存できます。
■材料(2人分)エネルギー266kcal/脂質4.1g(1人分)
- ミックスビーンズ 1缶
- 玉ねぎ 1/2個(100g)
- にんじん 1/3本(50g)
- れんこん 70g
- さつまいも 70g
- エサンテ™ オーガニックエキストラバージン オリーブオイル 大さじ1/2
【A】
- エサンテ™ 大豆ミート 1パック
- エサンテ™ オーガニック ケチャップ プレーンタイプ 大さじ3
- 水 200ml
- ウスターソース 大さじ1
- 12ヶ月の食卓™ 塩 小さじ1/4
■作り方
- 玉ねぎ、にんじん、れんこん、さつまいもは8mm角に切る。
- 中フライパンにフタをし、IR7(中火)で加熱して、水滴チェックをする。オリーブオイルを入れ、1の野菜をIR7(中火)で炒める。全体に油がまわったら、ミックスビーンズ、【A】を加えて時々混ぜながら7~8分煮込む。
- レシピ詳細はこちら>> 大豆ミートのチリコンカーン|QUEENレシピ+:Amway(日本アムウェイ)
まとめ
脂質制限では、脂質の「量」だけでなく「質」にも気をつけて、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。一般的なレシピサイトにも脂質制限のメニューは豊富にあります。自分の生活スタイルに合ったメニューや食事スタイルを見つけて、楽しみながら脂質制限を続けていきましょう。