ウォーキングは、身体を動かすことが苦手な方でも始めやすい運動です。ジムに通ったり、特別な道具をそろえたりしなくていいのも嬉しいところ。そのため、ウォーキングをして痩せたいと考えている方は多いかもしれません。
しかし、どのくらいの時間を歩けばダイエットに効果があるのか気になるところです。本記事では、ウォーキングによるメリットやダイエット効果が現れる時間、消費カロリーについて詳しく解説します。
40分のウォーキングで得られる効果

ウォーキングなどの有酸素運動は1日20分以上行うと効果があるといわれていますが、継続時間が長くなるほど脂肪をエネルギーとして利用する比率が高まります。ウォーキングを行う時間は1日に20〜30分が基本ですが、可能であれば40分程度に延長できるとより効果が高まるといえるでしょう。
日常生活の中で、運動するための時間を確保するのは大変です。しかし、40分程度のウォーキングであれば、何とか取り入れられるのではないでしょうか。また、毎日行うのが難しい場合は週に3~5回のペースで始めてみましょう。
40分のウォーキングをすることで、期待できる主な効果は次のようなものです。
- ダイエット効果
- 心肺機能の向上
- 生活習慣病のリスク軽減
- 自律神経の安定
- メンタルヘルスの向上
- 睡眠の質の向上
ただし、いずれも短期間ですぐに効果が出るわけではありません。根気強く続けることが大切です。また、ウォーキングをする時間帯は朝、昼、夜それぞれでメリットがあるため、どの時間帯がいいと一概にいえません。自分の生活ペースに合った時間帯を選んで、無理なく行うのがおすすめです。また、まとまって40分の時間をとるのが難しいときは朝20分、夜20分と分けてもいいでしょう。
ウォーキングは何分やるとダイエットに効果的?
ウォーキングのような有酸素運動を始めると、まずは糖がエネルギーとして消費され始めます。その後約20分経過すると脂肪の消費が始まります。
有酸素運動は継続時間が長くなるほどに、脂肪をエネルギーとして利用する比率が高まることが分かっています。ダイエットを目的としてウォーキングを行う場合は、20~40分を目安に無理のない時間で行うことをおすすめします。
休日など、時間に余裕がある時はさらに長く歩いてもよいですが、無理をしすぎると身体に負担がかかったり、翌日に疲れが残ったりするので、適度な範囲にとどめた方が良いでしょう。1回に長時間歩くより、毎日継続できることが大切です。
ウォーキングにはさまざまな健康効果がある

ウォーキングが心身に及ぼす健康効果について、詳しく見ていきましょう。
ダイエット効果
ウォーキングのような有酸素運動は、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪を使います。前述のように、歩く時間が長くなるほど脂肪をエネルギーとして使う比率が高まり、体脂肪や中性脂肪の減少に効果があります。
また、ふくらはぎの筋肉は第二の心臓と言われており、下半身に停滞しやすい血液をポンプ作用で心臓に戻す働きがあります。ウォーキングを続けると下半身の筋肉量が増えるため、全身の血流も良くなり代謝が上がってダイエット効果が期待できます。
心臓・血管系への効果
ウォーキングによって脂肪の燃焼が進み、血管が健康になることで、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防効果が期待されます。
生活習慣病のリスク軽減
前述のように、ウォーキングは脂肪の燃焼、体脂肪や中性脂肪の減少、血管の柔軟性向上などに効果があります。そのため、生活習慣病のリスク軽減が期待できます。
自律神経やメンタルの安定
ウォーキングのようなリズミカルな運動は、セロトニンの分泌を促します。セロトニンは脳内の神経伝達物質の一つで、精神を安定させる働きがあります。また、セロトニンには自律神経のバランスを整える作用もあり、夜のスムーズな入眠を促してくれます。
木々の緑や空を眺めながらのウォーキングは、心身のリラックスにつながるでしょう。
ウォーキングとカロリー消費

実際に、歩くことでどのくらいカロリーを消費できるのでしょうか。
ウォーキングによる消費カロリーは「METs(メッツ)」という単位を用いて計算することができます。METsは運動や身体活動の強度の単位で、安静時(静かに座っている状態)を1とした時と比較して、何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示すものです。
改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(独立行政法人国立健康・栄養研究所)によれば、ほどほどの速さで平らで固い地面を歩行(walking)する場合は3.5METs、運動目的で速く平らで固い地面を歩行(walking)する時は4.3METsとなっています。
ウォーキングの消費カロリーは、歩く人の体重や散歩時間によって変わります。計算式は次のとおりです。
- 消費カロリー(kcal)=METs×体重(kg)×運動時間(h)×1.05
例:体重50kgの人が30分(0.5時間)ウォーキングした時の消費カロリー
- ほどほどの速さで歩く 3.5(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約92kcal
- 運動目的で速く歩く 4.3(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約113kcal
まとめ
ウォーキングは、膝や腰への負担が少なく、続けやすい安全な運動です。ダイエット効果を感じるには、コツコツと継続することが重要です。無理のないペースで週3~5回、短時間から始め、徐々に時間や頻度を増やしていくことを心がけましょう。