ダイエットやボディメイクに取り組んでいる方は、効率的に基礎代謝を上げる方法に興味があるかもしれません。基礎代謝を上げるための方法はさまざまありますが、この記事では食べ物に焦点を当て、そのポイントを詳しく解説します。
食事によって基礎代謝は上がるの?

食事によって基礎代謝をアップさせることはできるのでしょうか?人間が1日に消費するエネルギーの総量は次の3つに分類できます。
- 基礎代謝量(約60%)
- 食事誘発性熱産生(約10%)
- 身体活動量(約30%)
3つのうち食事に関連しているのは「食事誘発性熱産生」で、これは食事をした後に増える代謝量を指します。食事をすると体内で栄養素が分解されます。そのときに一部が熱となり消費されます。食事をすると体が温かくなるのは食事誘発性熱産生によるものなのです。
食事誘発性熱産生による代謝量は、摂取する栄養素の種類ごとに異なります。例えば、たんぱく質のみを摂取した場合は約30%、糖質のみの場合は約6%です。しかし、通常はいろいろな栄養素が混ざった形で摂取するため全体で約10%の代謝量となります。
食事誘発性熱産生を高めるためには、トレーニングで筋肉を増やして基礎代謝を上げたり、食事の際によく噛んで食べたりするとよいとされています。
基礎代謝を上げる食べ物を目的別に紹介!

食事によって代謝量を上げるためにはバランスの取れた食事を心がけることが大切です。ここでは食事面に注目しておすすめの食材を目的別に紹介します。献立を考える際の参考にしてください。
筋肉量を増やす食べ物
筋肉量を維持するにはたんぱく質をしっかり摂取する必要があります。たんぱく質は筋肉や臓器など体をつくるためにとても大切な栄養素です。たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で必要量を合成できず、必須アミノ酸と呼ばれます。これらは食事から摂取する必要があります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)によると、たんぱく質の1日当たりの必要量は18~64歳の男性で50g、推奨量は65g、女性では必要量40g、推奨量50gです。例えば、豚肉(ロース)の100g当たりのたんぱく質量は22.7g。1日の必要量を摂取するには200g超の豚ロース肉を食べる必要があります。
鳥むね肉やささみなど脂質の少ない肉、魚ではまぐろやかつおの赤身部分、大豆やカッテージチーズなどは、たんぱく質がしっかり摂れるおすすめの食べ物です。
体があたたまり、血流が良くなる食べ物
基礎代謝を上げるためには体温を上げたり血流を良くしたりする食べ物にも注目しましょう。
体をあたためてくれる食材の例としては、にんじん、れんこん、ごぼう、しょうが、にんにく、かぼちゃ、玉ねぎなどの根菜類があります。食材自体が黒い黒豆や黒ゴマ、黒砂糖、玄米なども体温を上げるのに役立ちます。
また、血流を良くしてくれる食べ物の例としては、トマト、玉ねぎ、らっきょう、納豆、青魚、アーモンド、ナッツ類、梅干し、黒酢、海藻類があります。
基礎代謝を上げる飲み物にも注目

カフェインが入っている飲み物は利尿作用があり、体内の水分を排出する際に体温を逃がしてしまう場合があります。また、夏であっても冷たい飲み物やアイスクリーム、かき氷などは体を冷やしてしまうので飲み過ぎ、食べ過ぎには注意しましょう。体を温め代謝がアップする飲み物の例を紹介します。いずれも、常温もしくは温かくして飲むようにしましょう。
- しょうが入りの飲み物
- 常温の水、白湯
- 緑茶、紅茶、ほうじ茶
- 豆乳
- ルイボスティー
- ウーロン茶
- トマトジュース
- プロテイン
まとめ
食事というとカロリーばかりを気にしてしまいがちです。ダイエットやボディメイクのために基礎代謝を高めたいと思っている人は、食事内容にも注目しましょう。基礎代謝を上げるためには、良質のたんぱく質や、根菜類など体をあたためる食べ物、トマトや玉ねぎなど血流を良くする食べ物を積極的に取り入れるのがおすすめです。また、適度な運動で筋肉量を増やすことも併せて行っていきましょう。