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風邪のときに水分補給が大切な理由とは?摂取量の目安や頻度・おすすめの飲み物も紹介

風邪をひいたときは、十分な水分補給が重要です。水分が不足すると、脱水症状や風邪症状が悪化するリスクが高まります。

本記事では、風邪のときに水分補給が必要な理由と効果的に摂取する方法、おすすめの飲み物などについて解説します。

風邪に水分補給が必要な理由

風邪のときに水分補給が必要な理由は、以下の3つです。

  • 体内のウイルスを排出する手助けをする
  • 脱水を予防する
  • 症状の進行や悪化を防ぐ

それぞれ詳しく解説していきます。

ウイルスを体外に排出する作用を促す

十分な水分を摂ることで、のどや鼻の粘膜を潤し、ウイルスの侵入を防ぐことができます。さらに、鼻水や痰として体内のウイルスを排出する働きもサポートします。

水分摂取を怠ると血液中の水分も不足するため、血流の悪化を招きます。こまめな水分補給によって血流が改善すれば、白血球などの免疫効果が全身に行き渡りやすくなります。

脱水になるのを防ぐ

普段私たちが生活をする中で、皮膚や粘膜、呼気から水分が失われています。これを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼びます。健康な成人が安静にしているとき、1日の不感蒸泄の量は約900mlです。

風邪をひくと、発熱や鼻水、荒い呼吸によって不感蒸泄の量が増加します。そのため風邪のときは、気付かないうちに脱水になるリスクが高まります。風邪の場合は特に、定期的な水分補給が欠かせません。

症状の悪化を防ぐ

風邪のときに適切な水分補給を行うことで、体内の水分不足による症状の悪化を防ぐことができます。風邪によって水分が不足した状態が続くと、頭痛やめまい、倦怠感などの症状があらわれます。最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞、肺炎など、他の病気を引き起こすリスクも高まります。特に乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人は、風邪の症状が悪化しやすい傾向にあるため、十分な水分補給が必要です。

効果的な水分補給の3つのポイント

風邪のときに水分を補給する際は、次の点に気をつけましょう。

  • 摂取するタイミングは1~2時間に1回以上。1回あたりコップ1杯を目安に
  • 水分量の目安は1日に合計1.5~2Lほど、いつもより多めを心がける
  • 飲み物の温度は室温と同程度

摂取するタイミングは1~2時間に1回以上

風邪のときは、のどの渇きを感じる前に水分を補給するようにしましょう。渇きを感じているときは、すでに体内の水分が不足している可能性があるためです。1〜2時間に1回以上、コップ1杯を目安に意識的に水を摂るようにしてください。

水分が不足しやすいのは就寝前後や入浴前後、朝起きてすぐなどです。この時間帯を意識して水分を摂るようにします。水分補給のためにアラームをセットしたり、枕元に水筒を置いたりなどの工夫も効果的です。夜間の脱水を防ぐためには、寝る前にしっかり水分を摂るようにすることが大切です。

1日に合計1.5〜2Lほどの水分を摂る

人体は、約3分の2が水分で構成されています。このことから、1日に必要な水分は2〜2.5Lといわれています。1日に飲み水として摂取する理想的な水分量の目安は1.2L程度ですが、前述のとおり風邪のときは発熱による汗や鼻水などにより体内の水分が失われやすくなるため、普段より意識して多めの水分を補給しましょう。

具体的な目安は、普段よりコップ2杯分多い程度です。特に熱が高いときは、不感蒸泄として失われる水分量も増えるため、脱水予防のためにも水分補給が重要になります。

飲み物の温度は室温と同程度

風邪のときに水分を補給する際には、飲み物の温度にも気をつけましょう。飲み物の温度は、室温と同程度にするのがおすすめです。冷たすぎたり熱すぎたりすると、のどを通過するときに刺激になる可能性があるためです。また、温度の変化が刺激となって咳を誘発したり、胃腸に負担をかけたりすることで、水分が体に吸収されにくくなることがあります。

水分を摂取する際も一度に大量に飲むのではなく、少量ずつゆっくり飲むことを心がけてください。胃腸への負担を軽減でき、体に吸収されやすくなります。

風邪のときにおすすめの飲み物

風邪のときに特におすすめの飲み物は、以下の2つです。

白湯

白湯は、風邪のときに不足しがちな水分を補うのに最も効果的な飲み物です。糖分やカフェインといった余分な成分が入っていないため、のどや胃腸に負担をかけることなく体内に吸収されます。風邪で寒気を感じる際は、症状を和らげるのにも役立ちます。体を内側から温めて内臓の働きを促進し、風邪による症状の回復を助けるとともに、体調を整える効果が期待できるためです。

〈白湯の作り方〉

  1. 水をやかん、または鍋に入れる
  2. 沸騰させる
  3. 沸騰した状態を5~10分程度キープする
  4. 40~50度くらいまで冷まして出来上がり(のどが痛く白湯の熱さが刺激になりそうなときなどは、室温くらいまで冷ましましょう)

コップ1杯を10分ほどかけてゆっくりと飲みましょう。こうすることで、体に負担をかけず水分を補給できます。

スポーツ飲料・経口補水液

スポーツ飲料や経口補水液には、ナトリウムやカリウムなどのミネラル成分が含まれています。風邪で発熱しているときや、下痢・嘔吐などの症状がある場合は、体内から電解質が失われるため、スポーツ飲料や経口補水液でミネラルを補給することが大切です。

また、食欲がないときでも、スポーツ飲料や経口補水液から体に必要な水分やミネラル、糖質などを取り入れることができます。

ただし、糖尿病や腎臓病など、糖質・塩分の制限が必要な方、血圧が高く塩分摂取量が気になる方は、かかりつけ医に相談してから摂取するようにしてください。

風邪をひいたときに控えたほうが良い飲み物

風邪をひいたときは、カフェインを多く含むものや刺激が強いもの、アルコールを含むものは控えたほうが良いでしょう。

なぜ控えたほうがよいのか、それぞれ解説します。

カフェインを多く含むもの

カフェインには覚醒作用があるため、寝つきが悪くなったり睡眠の質を低下させたりして、体力の回復を遅らせる可能性があるためです。風邪をひいているときは、カフェインを含む飲み物は控えたほうが安心です。

刺激の強いもの

風邪の際は、以下のような刺激の強い飲み物は避けたほうが良いでしょう。

  • 冷たすぎるものや熱すぎるもの
  • 柑橘類などのジュース
  • 炭酸飲料

冷たすぎるものや熱すぎるものは、飲んだときにのどの粘膜に刺激を与え、咳や吐き気を誘発する可能性があります。風邪のときはのどを刺激しないよう、常温の飲み物を摂取するのがおすすめです。

また柑橘類のジュースはクエン酸がのどの粘膜に刺激を与え、吐き気をもよおす可能性があります。

市販の炭酸飲料も、風邪のときには刺激物となるので注意しましょう。炭酸がのどを刺激して咳を誘発するだけでなく、中にはカフェインが含まれているものもあります。嗜好品として愛飲している場合でも、風邪のときには控えておきましょう。

アルコールを含むもの

風邪をひいているときは、アルコールを含む飲料を摂らないようにしましょう。アルコールは細菌やウイルスから体を守る免疫系に悪影響を与えるため、風邪の症状を悪化させる可能性があります。

そしてアルコールは、摂取量に比例して中枢神経を抑制する作用が増強します。風邪薬を服用している場合、アルコール摂取によって、眠気や判断力の低下といった副作用が強く起こる可能性が高くなるため、注意が必要です。風邪をひいているときはアルコールを控え、体の回復を優先した生活を心がけましょう。

まとめ

風邪のときには、こまめな水分補給が重要です。発熱や嘔吐・下痢などの症状がある・ないにかかわらず、水分を摂取しないと脱水を引き起こしたり、風邪の症状が悪化したりする可能性が高まります。風邪のときは刺激の強い飲み物を控え、白湯・スポーツ飲料・経口補水液などを摂取するのがおすすめです。普段の生活より1日あたりコップ2杯ほど多く、1~2時間毎を目安にこまめに水分を補給し、症状の悪化を防ぎましょう。

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