肩こりは、前かがみの姿勢や運動不足などさまざまな原因で起こります。スマホやパソコンが手放せない現代のライフスタイルも、大きな要因になっているようです。
こり固まった筋肉を伸ばし、血流をよくするヨガは肩こりの改善におすすめです。この記事では、肩こりを改善するヨガのポーズについて解説します。動画もありますので、参考にしながら早速トライしてみてください。
肩こりの主な原因

厚生労働省の『2022(令和4)年 国民生活基礎調査』によると、男女共に自覚している症状の第1位に腰痛、第2位に肩こりが挙がっています。肩こりは国民病とも言われており、多くの人が肩こりに悩んでいますがその原因はさまざまです。
姿勢
同じ姿勢を取り続けたり、前かがみや猫背の姿勢を取ったりすると、首や肩周りの筋肉が緊張して肩こりの原因になります。筋肉が緊張すると、筋繊維の中を通る血管が圧迫されて血行不良を起こし、乳酸などの老廃物が増えて末梢神経を刺激し、痛みが生じるのです。長時間デスクワークをしている人や、前かがみの姿勢でパソコンやスマホを操作している人は、肩こりになりやすいでしょう。
眼精疲労
長時間モニターを見続けるなど目を酷使していると、目や目の周辺の筋肉が緊張して眼精疲労を引き起こします。眼精疲労は首や肩周りの筋肉も緊張させるため、肩こりの原因になります。
運動不足
歩いたり運動したりする機会が少ないと、血行不良になり肩こりが起こることがあります。また、日頃から冷房で身体が冷えやすい環境にいる場合も同様です。
精神的なストレス
ストレスは、血流をコントロールする交感神経の過度な反応を引き起こします。その結果、首や肩周辺の筋肉が緊張して血行が悪くなり、肩こりの原因になります。
頚椎や肩関節などに原因があったり、心疾患など重大な病気が隠れていたりすることもあるので、注意が必要です。肩こりで悩んでいる場合は、治療が必要な病気でないかどうか、医師の診察を受けることをおすすめします。セルフケアを行うことが問題なければ、ヨガなどの運動や生活習慣の見直しで改善していきましょう。
ヨガが肩こりに効く理由とは

ヨガの動きは肩こりの改善に効くとされています。その理由についてご説明しましょう。
血行がよくなるから
日頃あまり動かさない筋肉を、ヨガのポーズで意識的に伸ばすことができます。筋肉を伸ばす動きは血行を促進し、筋肉の緊張を和らげて肩こりの改善につながります。
姿勢がよくなるから
ヨガでさまざまなポーズを取る中で、自然に筋力が向上していきます。筋肉がつくと、姿勢が改善して肩こりが起きづらくなります。
ストレス軽減効果があるから
ヨガは呼吸を大切にしています。ゆっくりと深い呼吸を続けることで、交感神経と副交感神経の働きが整いストレスを軽減できます。
このように心身両面から肩こりの改善にアプローチできるのが、ヨガの特長だといえるでしょう。
肩こりに効くヨガのポーズ3選【動画付き】
肩こりを改善するヨガのポーズについて解説します。動画も参考にしながら行ってください。
針の糸通しのポーズ

首や肩周りの筋肉を心地よく伸ばせます。初心者にも挑戦しやすいポーズです。今回は、デスクワークなどで血行が悪くなりがちな脚にも効くバージョンをご紹介します。
【やり方】
- 肩の下に手、骨盤の下に膝がくる位置でよつんばいになります。手の位置は肩幅、膝の位置は座骨の幅を取ります。
- 右脚を横に伸ばし、足裏を床につけます。
- 左手を前に伸ばします。
- 左肩の下を通るようにして右手を横に伸ばし、右頬を床につけます。手のひらは上向きで。
- 3~5回ゆったりした呼吸を続けます。
- よつんばいの姿勢に戻り、反対側も同様に行います。
動画では、続けてチャイルドポーズでのストレッチもご紹介しています。
魚のポーズ

魚のポーズは首を反らせて肩甲骨を大きく動かすので、肩こりや首こりに効きます。ただし、身体を反らせるポーズなので、首や背骨、腰に疾患がある人は避けます。また、血圧に異常があったり頭痛があったりする場合も控えましょう。
【やり方】
- あおむけになり、両脚をそろえます。
- 片脚ずつ膝を立てます。
- 手のひらを下向きにして、お尻の下に手を入れます。
- 脚を伸ばします。
- 肘でゆっくり床を押しながら胸を持ち上げていきます。
- 首を反らして頭のてっぺんを床につけます。
- そのまま3回ほど深呼吸を行います。
- 背中をゆっくりマットに下ろし、お尻の下の手を外します。
牛面のポーズ

牛面(ぎゅうめん)のポーズは両手を身体の後ろで握るため、肩や肩甲骨周りの筋肉によく効きます。【やり方】の7.で両手を組むことが難しい場合は、タオルなどを間に持つようにしてください。ちなみに、このポーズを上から見下ろしたとき、牛の顔に似ていることからこの名前がついたと言われています。
【やり方】
- 両脚をまっすぐ前に伸ばし、長座の状態で座ります。
- 左脚の膝を立てて、右脚の外側へ置きます。
- 右膝を曲げ、かかとを左のお尻の方に引き寄せます。
- 左脚と右脚を深く重ねます。
- 右手をゆっくり上げて、頭の後ろで肘を曲げます。
- 左手で右肘を引っ張り、肩甲骨を寄せます。
- 左手を背中に回し、両手を握って胸を開きます。
- 息を吸い、吐きながら上体を少し前に倒します。
- 息を吸いながら上体を元に戻し、手と脚も元の位置に戻します。
- 反対側も同様に行います。
まとめ
肩こりに効くヨガのポーズはこれ以外にも数多くあり、続けていくと症状の改善が期待できます。また、ヨガで筋力がつくと姿勢がよくなるため、一石二鳥だといえます。動画を見ながら、ぜひチャレンジしてみてください。