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ビタミンA不足による体への影響と改善に役立つ食品を紹介

ビタミンAは体のさまざまな機能をサポートしているため、ビタミンAが不足すると体に多くの悪影響を及ぼします。本記事ではビタミンAのはたらき、不足すると体にどのような影響が出るのか、ビタミンA不足の解消に役立つ食品を紹介します。

ビタミンAとは?

ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種で、皮膚や粘膜、目の機能を維持するために重要な成分です。レチノールやレチナール、レチノイン酸といった成分がビタミンAに該当します。また体内でビタミンAに変化するベータカロテンはビタミンA前駆体と呼ばれており、ビタミンAの仲間に分類されます。

ビタミンAのはたらき

ビタミンAの中でもっとも一般的な成分であるレチノールは皮膚や粘膜、目の機能を維持するはたらきがあるといわれています。

またビタミンAは抗酸化作用が期待できることから、機能性化粧品に配合されているケースもあります。活性酸素の過剰生産が原因で起こる酸化によるシミやそばかすを防ぐためには、抗酸化力を高めることが重要だからです。

ビタミンAの1日の摂取目安量は?

ビタミンA不足を解消するためには、1日のビタミンA摂取量の目安を把握しておくことが大切です。厚生労働省では「日本人の食事摂取基準」で年齢別、男女別の推定平均必要量、推奨量、耐容上限量を設定しています。ここでは男女別、年齢別の1日のビタミンA推奨量を紹介します。

ビタミンAの食事摂取基準(男女)(㎍RAE/日)

年齢等 男性(推奨量) 女性(推奨量)
10~11(歳) 600 600
12~14(歳) 800 700
15~17(歳) 900 650
18~29(歳) 850 650
30~49(歳) 900 700
50~64(歳) 900 700
65~74(歳) 850 700
75以上(歳) 800 650
  • プロビタミンAカロテノイドを含む。

たとえば、18〜29歳の女性の場合、1日に卵(黄身)1個分摂取すると、ビタミンAの推奨量を達成できます。

このように、一つの食品で十分なビタミンAを摂取することもできるため、食材選びがビタミンA不足を防ぐカギといえます。

ビタミンA不足による体への影響

ビタミンAは皮膚や粘膜、目を健康に保つはたらきがあり、ビタミンAが不足すると体にさまざまなトラブルが生じる可能性があります。

暗いところで目が見えにくくなる

ビタミンAが不足すると、明るいところから暗いところに入ったときに目が見えにくくなる暗順応障害が起こる可能性があります。この暗順応障害が悪化すると、暗いところに入ってしばらく時間が経っても見えにくい状態が続き、やがて夜盲症になるといわれています。

夜盲症はビタミンA欠乏症の初期症状でもあります。ビタミンAの欠乏が続くと、粘膜や皮膚の乾燥や角質化が進行し、最終的にビタミンA欠乏症となる可能性があります。ビタミンA欠乏症が進行すると、最悪の場合、失明に至ることもあるため、夜盲症などの症状が見られるようになったら注意が必要です。

皮膚にトラブルが起こる

ビタミンAは皮膚を作るために重要な役割を果たしているため、ビタミンA欠乏症といった重度のビタミンA不足になると、肌の乾燥や肥厚、角質化などが表れる可能性があります。小児の場合は、成長が停止する可能性もあるため、小児のビタミンA不足は十分に注意しなければいけません。また、ビタミンA不足はアトピー性皮膚炎を引き起こすこともあるため、皮膚や粘膜に異常を感じたらビタミンA不足を疑ってみてください。

風邪をひきやすくなる

細菌やウイルスといった病原体が体内に侵入するのを防ぐために重要な役割を果たしている粘膜が、正常に機能するためにはビタミンAが必要不可欠です。ビタミンAが不足すると鼻や喉といった粘膜が乾燥し、免疫システムが正常に機能しなくなります。これにより、病原体が体内に侵入しやすくなり、風邪をはじめとした病気にかかりやすくなる可能性があります。

ビタミンAが不足する原因

ビタミンAが不足する原因はおもに食事内容にあります。しかし、病気が原因でビタミンAが欠乏している可能性もゼロではないため、生活習慣や体調をもとに考えられる原因を探してみてください。

食事のバランスが偏っている

ビタミンAは体内で生成できない栄養素であるため、食事でビタミンAが摂取できていないと、ビタミンA不足になる可能性があります。とくに食事を抜く習慣があったり、外食が多かったりなど、不摂生が続くとビタミンA不足に陥りやすいので注意しましょう。

病気が原因でビタミンAが吸収されにくくなっている

腸で脂肪が吸収されにくくなる病気になると、油に溶けやすい脂溶性のビタミンAが吸収されにくくなり、ビタミンA欠乏症になるリスクが高まります。ビタミンAが吸収されにくくなる病気は、慢性の下痢やセリアック病、嚢胞性線維症、膵臓の特定の病気、胆管閉塞などです。また腸や膵臓の手術もビタミンAの吸収を阻害することがあります。

たんぱく質やカロリーの摂取量が極端に少ない

慢性的にたんぱく質の摂取量や摂取カロリーが少ない人は、ビタミンA欠乏症にかかりやすいといわれています。そのため、過度なダイエットをしている人や、極度な脂質制限、糖質制限を行っている人はビタミンAが不足しやすい傾向にあります。

ビタミンA不足を予防する方法

ビタミンA不足の原因を理解したところで、次にビタミンA不足を予防するための具体的な方法について見ていきましょう。

ビタミンA不足を予防するには、日常的にバランスの取れた食事を心がけ、ビタミンAが豊富な食品を意識的に取り入れることが重要です。食事でのビタミンA不足が原因であるケースが多いため、普段の食事にビタミンAが含まれる食品を積極的に取り入れるようにしましょう。

なかなかビタミンA不足が解消しない場合はサプリメントを摂取するのも一つの方法です。

ビタミンAが多く含まれている食品

ビタミンA不足を予防するためには、どのような食品に多く含まれているのかを日頃から意識し、適量を食品から摂取するのがおすすめです。もちろんビタミンAだけでなく、主食、主菜、副菜など栄養バランスが取れた食事を心がけることも重要です。ここではビタミンAが多く含まれる食品を3つに分類して紹介します。

肉類や魚介類

肉類や魚介類はビタミンAが多く含まれています。中でもビタミンAが多く含まれる肉や魚の種類や部位は次の表を参考にしてください。

食品名 レチノール活性当量(㎍)/可食部100g当たり 食品の目安重量(廃棄部分を含む)(単位:重量)
ぶた スモークレバー 17,000 1食分:100g
にわとり 肝臓(レバー) 生 14,000 1人前:100g
ぶた 肝臓(レバー) 生 13,000 1人前:100g
ぶた レバーペースト 4,300 大さじ1:12g
うなぎ かば焼 1,500 1串:100g
銀だら 生 1,500 1切れ:130g
ほたるいか 生 1,500 1杯:6g

ビタミンAは脂溶性なので、吸収率を高めるためには油で調理するのがおすすめです。

乳製品

乳製品の中でもビタミンAが多く含まれる食品は次のとおりです。

食品名 レチノール活性当量(㎍)/可食部100g当たり 食品の目安重量(廃棄部分を含む)(単位:重量)
ナチュラルチーズ マスカルポーネ 390 大さじ1:13g
ナチュラルチーズ チェダー 330 スライス1枚:18g
食塩不使用バター 800 大さじ1:12g

バターやチーズは乳製品の中でもビタミンAを多く含んでいますが、摂取しすぎると脂質の摂りすぎにつながるので注意してください。

野菜類

緑黄色野菜をはじめとした色の濃い野菜にはビタミンAが多く含まれています。さまざまな野菜をバランスよく摂取し、その中で季節の野菜を取り入れることで栄養素のバランスが取れるでしょう。ビタミンAを多く含む野菜を意識してメニューに取り入れてみてください。

食品名 レチノール活性当量(㎍)/可食部100g当たり 食品の目安重量(廃棄部分を含む)(単位:重量)
しそ(葉/生) 880 10枚:7g
モロヘイヤ(茎葉/生) 840 1束:100g
にんじん(根・皮つき/生) 720 1本:150g
ほうれんそう(葉・通年平均/生) 350 1株:20g
西洋かぼちゃ(果実/生) 330 1個:1~1.5kg

まとめ

ビタミンAが不足すると目の機能低下をはじめ、免疫力の低下や肌トラブルが起こるなど、さまざまな影響が体に表れる可能性があります。ビタミンAが不足する原因として病気なども考えられますが、ほとんどの場合は食事での摂取量不足が予想されます。毎日の食生活を見直してビタミンAの摂取を心がけましょう。

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