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免疫力低下のサインとは?5つの兆候と原因・対処法を解説

最近、傷の治りが遅い、皮膚トラブルが増えたと感じることはありませんか?そのような場合、免疫力が低下している可能性があります。免疫力が低下すると、風邪をひきやすくなったり、日常生活に影響が出やすくなったりするといわれています。

本記事では、免疫力低下のサインと原因、対処法を紹介します。気になるサインが出ている人は、ぜひ参考にして早めに対処してください。

免疫力低下のサイン

免疫力が低下しているときは、以下のような5つのサインが見られます。

  • 傷の治りが遅い
  • 慢性的な疲労感がある
  • 皮膚トラブルが増える
  • 胃腸の不快感を覚える
  • 口の中・周辺にトラブルがおこる

それぞれについて、詳しく解説していきます。

傷の治りが遅い

免疫力が低下すると、小さな傷や切り傷の治りが遅くなることがあります。これは免疫力の低下により、体の自己治癒力も弱まるためです。すり傷や切り傷などが一週間たっても治らない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

慢性的な疲労感がある

十分な休息をとっても疲れが取れない場合は、免疫力の低下によって疲労が蓄積している可能性があります。慢性的な疲労感については自覚しにくいものですが、以下の3つのうちいずれかに当てはまるかどうか確認し、日々の体調の変化を記録しておくと良いでしょう。

  • 朝起きるのがつらい
  • 肩や首が重く感じる
  • 集中力が続かない

さらに、原因に心当たりのない倦怠感や無気力感が続く場合も、免疫力低下によるサインのひとつです。

皮膚トラブルが増える

免疫力が低下すると、乾燥肌や発疹などの皮膚トラブルが増えることがあります。特に、顔や首筋などの見える部分、背中やお腹、足先などに皮膚トラブルがあらわれることも少なくありません。これは免疫力の低下により、血行不良や新陳代謝の低下が起こるためと考えられます。肌の赤みやかゆみが出る、普段使うスキンケア用品がヒリヒリと肌にしみる、化粧のノリが悪いなどの症状が見られることもあります。

胃腸の不快感を覚える

食後に胃の重さを感じたり、下痢や便秘になったりする場合も免疫力の低下が考えられます。胃腸の働きが弱まると、食べたものが十分に消化されず、胃もたれなどの症状を引き起こします。また、正常な排便は、1日1~2回が理想とされています。その日に食べたものを消化吸収し、翌日には不要なものを体外へと排出するのが本来の腸の活動リズムです。このリズムが乱れる場合は、暴飲暴食を避ける、刺激の強い食べ物を控えるなど食生活を見直す必要があります。

口の中・周辺にトラブルがおこる

口の中や口の周りにぶつぶつができたり、乾燥で赤くなったりするなどの炎症が頻繁に起こるときも、免疫力の低下が考えられます。普段、口腔内では唾液が口の中の細菌などを押し流しますが、免疫力の低下によりこれらの細菌が口腔内や周辺にとどまることでトラブルを引き起こしてしまうのです。

一般的に、口の中や周辺の炎症は、通常であれば数日から約10日で自然に治ります。もし数日経過しても治らない場合や、徐々に大きくなったり繰り返しトラブルが発生したりする場合には、他の疾患の可能性を疑い、医療機関を受診しましょう。

免疫力が低下する原因

免疫力が低下する原因として、おもに以下の5つが挙げられます。

  • ストレス
  • 生活習慣
  • 冷え
  • 年齢
  • 腸内環境の乱れ

ストレス

ストレスにより、生命維持に必要な機能を自動的に調節する役割を持つ自律神経のバランスが崩れます。自律神経は白血球やリンパ球などの免疫細胞の働きに関与しているため、バランスが崩れることで免疫力が低下してしまいます。また、自律神経のバランスが乱れてしまうと、粘膜で働く抗体である「IgA(免疫グロブリンA)」の濃度が低くなります。この濃度が下がると病気にかかりやすくなります。

ストレスを軽減するためには、リラックスする時間を確保する、適度な運動を行う、バランスのとれた食事をとるなどを心がけましょう。

生活習慣

生活習慣が乱れると体内のバランスが崩れるため、免疫力低下につながりやすくなります。

現代人の食生活は野菜が足りないことが多く、その結果、ビタミンなど免疫機能をサポートする栄養素も不足しやすくなります。これらの栄養素は食事から摂取する必要があるため、普段の食生活で意識的にとることが大切です。

また、アルコールの飲み過ぎは免疫力の低下につながるため、適量を守ることが推奨されます。

冷え

冷えとは、外気温ではなく、体の内側から感じる冷えのことを指します。冷えは自律神経を乱し、血流を悪化させ、内臓の働きを鈍らせるなど、体の不調を引き起こすことがあります。

特に冷えを感じる部分が下腹部に集中している場合は、腸の温度も低下し、腸内環境が乱れている可能性が考えられます。「冷えは万病のもと」といわれます。適度な運動を日常生活に取り入れたり、冷たい飲み物の過剰摂取を控えたりして、体を内部から冷やさないようにしましょう。

年齢

加齢とともに、免疫力は低下する傾向にあります。免疫細胞は20代をピークに減少します。40代ではピーク時の50%以下、70代では10%以下に免疫力は低下するといわれています。

免疫系はさまざまな細胞で構成されており、その中でも、特に重要な役割を果たすのが「T細胞」です。T細胞は胸腺という組織で生成されており、胸腺は20歳をピークにして急激に萎縮します。その結果、T細胞の生成量が減少し、最終的には既に体内に存在する免疫細胞だけで体を守る状態になります。

加齢によって免疫力が衰えると、皮膚のバリア機能が低下したり、インフルエンザなどの感染症に対する抵抗力が弱くなったりします。

腸内環境の乱れ

下痢や便秘などは、腸内の環境が乱れているサインです。腸内環境の乱れは、免疫力の低下と密接に関係しています。人の腸内には、善玉菌と悪玉菌が存在しており、食生活の乱れや不規則な生活、各種のストレス、便秘などが原因で悪玉菌が増加しやすくなります。

腸内環境が乱れると栄養の吸収や代謝が悪化し、体内の免疫細胞の機能も低下します。また、全身の免疫反応を阻害するリスクも高まります。その結果、感染症にかかったり、アレルギー反応が強く出たりなど体調に悪影響が生じやすくなります。

免疫力をあげる3つの方法

免疫力をあげるための方法には、以下の3つがあります。

  • 食事の栄養バランスに気をつける
  • 適度に休息をとる
  • 医師に相談する

それぞれの方法について、詳しく解説します。

食事の栄養バランスに気をつける

免疫力を高めるためには、主食、主菜、副菜、汁物など栄養バランスの整った食事を意識して、旬の食材を取り入れるのがおすすめです。腸内の善玉菌を増やすために、「プロバイオティクス」や「プレバイオティクス」を含む食品を摂取するのも効果的です。プロバイオティクスはヨーグルトや納豆、キムチなどに多く含まれています。また、プレバイオティクスはおからやさつまいも、海藻類に多く含まれています。

食事に意識して取り入れたいメニューのひとつに、味噌汁が挙げられます。味噌汁には、水分、栄養分、腸内細菌バランスを整える菌がすべて含まれています。サプリメントで不足しがちな栄養素や食物繊維などを補うのも良いでしょう。

適度に休息をとる

これまで解説したような、傷の治りが遅かったり皮膚トラブルの増加を感じたり、慢性的に疲れているといった免疫力の低下を感じたら、生活の中で適度に休息をとるようにしましょう。15分程度の仮眠でも、体の回復が促され体調が整いやすくなります。健康を維持するためには、十分な休息を意識することをおすすめします。

医師に相談する

免疫力の低下を感じ、明らかな症状があらわれている場合や、長期間症状が改善しない場合は、医師に相談しましょう。専門家に話すことで、自分の状態を客観的に把握し、不調の原因を追究できます。適切な診断と治療を受けるために、早めの受診を心がけましょう。

免疫力を高めるおもな食品

免疫力を高めるためは、バランスの取れた食生活が重要です。バランスの取れた食生活のために以下の3つを含む食品を摂取しましょう。

  • たんぱく質
  • ビタミン
  • 善玉菌や食物繊維

免疫細胞を作るたんぱく質

たんぱく質は免疫細胞を作る主要な成分であり、不足すると免疫力だけでなく体力も低下しやすくなります。1日に摂取する量の目安は、肉・魚・豆腐・卵は両手におさまる程度の量、牛乳はコップ1杯(200ミリリットル)です。これらの食品の適切な摂取がお勧めです。

抗酸化作用があるビタミン

免疫力を高めるために、抗酸化作用があるビタミンC・ビタミンEを摂取するのもおすすめです。これらのビタミンは、活性酸素の働きを抑えます。活性酸素は大量に発生すると免疫力の低下を引き起こすといわれていますが、抗酸化物質がその影響を抑えるとされています。

抗酸化作用を持つビタミンを多く含む食品は、緑黄色野菜・ピーマン・ブロッコリー・柑橘類・ナッツ類などがあります。ビタミンを意識的にとることで、健康のサポートが期待できるでしょう。

腸内細菌バランスを整える善玉菌や食物繊維

腸内細菌バランスは免疫力アップに重要です。腸内細菌バランスをサポートする栄養素・成分は食物繊維や善玉菌です。

腸内細菌の1つであるビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌には、腸内細菌バランスを整える働きがあります。善玉菌を増やすために、発酵食品を積極的に摂取することをおすすめします。納豆・味噌・ヨーグルトなど、善玉菌を含む発酵食品を毎日の食事に取り入れてみましょう。

また、野菜や海藻類・きのこ類などを合わせて摂取することで、便通を良くし、良好な腸内環境を作ることができます。日常生活にこうした食品を取り入れ、栄養バランスの取れた食生活により、免疫力の向上が期待できるでしょう。

まとめ

免疫力が低下しているサインは、人によってさまざまです。最初は、小さな違和感やなんとなく気になるといった症状から始まることもあります。生活習慣が乱れていたり、野菜不足になっていたりする場合は、免疫力が低下しやすい傾向にあります。たんぱく質やビタミン、食物繊維などが含まれる食品を積極的に摂取するだけでなく、十分な休息をとり、免疫力を高めましょう。

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